日常
3/11(金)
応接で契約社員の採用面接をしていたら、急に激しいめまいに見舞われ、目の前がぐらぐらと揺れだす。
ヤバい、数年前の突発性難聴の時より激しい、落ち着け、と心の中で呼びかけているうちにおさまってきた。
面接が終わって外に出たら、みんな騒いでる。どうやら揺れていたのは世界のほうだったようだ。
twitterのタイムラインをチェックすると、想像以上の事態になっている様子。
事務所にテレビがないので、誰かが配信してくれているユーストのNHKの映像を見て、我々が営々と積み上げている日常を一瞬にして押し流していく暴力的な映像に言葉を失う。ノドに引っかかった魚の骨のような違和感を頭の隅に抱えながら、バタバタと日常をこなす。
家に帰って、しばらくあちこちチャンネル切り替えてニュース映像を眺める。「まるで映画みたい」だとか、よく言うけれど、まるでおもちゃのように軽々と水に呑まれ流される家々や車や船を見ていると、映画でやっているような迫真の映像なんて形無しだ。リアリティってなんだろう。果たしてこれが現実なんだろうか? 
昨日録画した「まどかマギカ」第10話を見直して、寝る。

3/12(土)
くろぐろとした思いはいつも付き纏っているけど、自分が被災したわけではないのだ。
まずは現実をしっかり日常にひきとめよう。ちゃんと仕事すること。

来客の多い一日。
晩は久しぶりにレトルトでカレー。定番のMeijiのなすとひき肉カレーです。
110312Meiji

3/13(日)
休み。ひさしぶりの家族3人の休み、当初の予定通り京都に出かけることにする。

京大時計台前のカフェテリアカンフォーラでステーキカレー787円。
110313カンフォーラ1
家族3人でそれぞれシーフードカレー、ビーフカレーと別のメニュー頼んだのだけど(バカだねw)定番のビーフカレーがいちばんしっくり来る感じでした。
110313カンフォーラ2 110313カンフォーラ3

白川通のガケ書房で「役立たずの彼方に/大里俊晴に捧ぐ」という黒い表紙の小冊子を見つけて購入。
おととしの11月に亡くなった音楽研究家/演奏家の大里俊晴の追悼文集。ジム・オルークの題字、吉増剛造の巻頭詩に続き錚々たるメンツによる追悼文が並んでいる立派なもの。ガセネタ/タコ時代を振り返った大里の「ガセネタの荒野」は独特な屈折と勢いのある青春群像劇という感じでよかったな。山崎春美がどこかで冷笑的なコメントを出していたのも、らしいな、と思ったけれど、その山崎春美による追悼文も五十音順でラストに収められている。

バスで岡崎の京都国立近代美術館へ移動し、昨日から始まった「パウル・クレー展~終わらないアトリエ」に。
実はクレーが大好きだ。シンプルさと細かさのバランス、色や線のデザイン的センスが素晴しい。ホッとするような明るい詩情にあふれた楽しさだけじゃなくて、実は、皮肉や悪意までが巧みなユーモアにくるまれて表出しているのが凄いと思う。
今回は油彩転写や切断―再構成といった独特の手法の解説も交えて日本初公開を含む160もの作品が展示され、大変見ごたえがあった。

円山公園から清水寺まで、前日から始まった東山花灯路をたどる。路地の両側に灯篭を置いてライトアップしてるだけ、正直そんなに期待してなかったんですけどね。節電しなきゃいけないんじゃないの、とか皮肉っぽく突っ込んでみたりして。でもね、ただ灯篭の明かりを見て歩いてるだけで、なんか心が安らぐから不思議なもんです。
馬鹿みたいに走り回って灯篭の写メを取りまくってる娘を見ていて、ああ、日常ってかけがえがないもんだな、と瞬間たまらなく愛おしく感じました。

日常を不意に押し流してしまうあのような映像を見てしまった僕には、能天気にもうそれをなかったものとして生きることは出来ないだろう。
いままでもそんな映像をたくさん目にしてきた。阪神大震災の時、地下鉄サリンの時、911の時エトセトラ、エトセトラ…。そのたびにくろぐろとした思いが僕の中に沈殿していく。
カタストロフはすぐ横に潜んでいるのかもしれない。惨劇に巻き込まれる者と巻き込まれなかった者を区別するのはたまたま「運が良かったか悪かったか」しかない。
なにかのはずみで自分が陥っていたかもしれない深淵の気配を常に感じながら、その真っ只中に放り込まれ日常を奪われたた人々のことを心のどこかに感じながら、粛々と日常生活を生きよう。
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テーマ:雑記 - ジャンル:日記

【2011/03/18 02:32】 | 日記 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
>たけちよさん
お気持ちはわからないではないです。
僕は個人的には国とか政治にあまり過剰な期待をしていない方だと思います。
そりゃあチャーチルや吉田茂や乃木大将やJFKのような(巷間伝えられるような)立派な指導者がいればよかったのかもしれませんが、現実は政治家だって所詮僕らとおんなじただの人間ですから、そうそう常人離れした偉人はいないでしょう。
逆に勘違いして常人離れした指導力を発揮しようとする人物には、個人的には賛同しがたい奴が多いような気がします。強力なリーダーに安心して任せたいと言う不安を上手に掬い取って、より最悪な方向に世の中を導いた例も過去にはたくさんあります。
しんどいですが、自分の出来ることをやっていくしかないのではないでしょうか。
【2011/03/21 01:01】 URL | takut #-[ 編集] | page top↑
同感。
しかし、ロシアンルーレットの弾は1/6から1/2になった、今の僕をその妄想がとらえてなりません。
きっと妄想ではないのかも。。。と思うと。。
しかし、そういうことも含めて対策するための人間の集まりとしての「国家」があり、そのために我々は普段負担をしてるんじゃないか?
そう思うと、湧き上がる怒りを禁じえないです
【2011/03/20 00:03】 URL | まつだいらたけちよ #JalddpaA[ 編集] | page top↑
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