京都音楽博覧会2010(9/19、京都梅小路公園芝生広場)
昨年に引き続き、京都梅小路公園で行われたくるり主催の京都音楽博覧会に行ってきました。
いちまんえんというチケット代は正直いかがかと思ったけど、エンケンに二階堂和美!ベンチャーズ!ほんでジム・オルーク!というなんじゃこりゃというメンツ、早割チケットが当たったんで家族ででかけることにしました。

会場に到着し、リストバンドを受け取って会場待ちの列に並んだ時点で、抜けるような晴天、暑いです。10時半開場で場所を確保してシートを広げ、開演を待ちます。レストランエリアで昼飯を調達し、まずはビールで乾杯。今日のカレーはアジア屋台料理ジャランジャランのココナツチキンカレー。
100919京都音博(ジャランジャラン)

まずはくるり ザ・セッション。岸田・佐藤とドラムに森信行というオリジナルくるりの3人の演奏による「東京」「尼崎の魚」。昔からのファンには感涙もののシーンなんじゃないかな。そしてヴァイオリンに佐藤良成とパーカッションに現ドラムのBOBOを加えて「リバー」、曲の終盤にギターの大村達身が登場してソロを決める。大きなヘッドホンをつけた森のカウントから「ワールドエンド・スーパーノヴァ」!僕は初期くるりは知らなくて、このアルバムからだったのでこの曲はうれしかった。そして最後は「ロックンロール」。
オープニングから熱いです。日差しも暑い…。

今年はメインステージの横にサブステージができて、セッティング待ちなく次のアクトがはじまるようになっていて、特にここみたいに門限のある開場では効率はいいと思うけど、ちょっとせわしない感じ。andymoriという若手のバンドの演奏が始まったところで、買ってきたビールがあっさり終わってしまったので、失礼して買出しに。
戻ってきたら、メインステージに遠藤賢司a.k.aエンケンさんがレスポールの轟音を響かせながら登場するところだった。フォークロックパンクジャズクラシック演歌すべての音楽は平等であると八百万の神の前で宣言する音楽版水平社宣言「フォロパジャクエン NO.1」を、ギターを弾きながらドラムセットに座って叩きまくり、力強く叫ぶ。アコースティックギターに持ち替えて2曲目「39年前のアルバムから」と「満足できるかな」、メモを見ながら京都の音の思い出についてのMC「今はもう見られないけれど、一澤帆布の店の奥の畳の上で、背中を丸め、ひと針ひと針責任感をこめて針を入れるおやじの足踏みミシンの音」。「夜汽車のブルース」は、終盤静まり返った瞬間に、梅小路公園おなじみの汽笛が見事に一声決めてくれました。
MC「新しいアルバムの曲で「ちゃんとやれ」という曲があります。エンケン、お前は誰に頼まれたわけでもない、自分で好きで音楽やってるんだ。ちゃんとやれ。かまわねえから、その純音楽家魂とやらをみんなに見せ付けてやれ。…それでも伝わらない時は、お前の才能が足りないんだ。努力してろ、努力は才能なんだ。ちゃんとやれ。エンケン、ちゃんとやれ!」、そして再び響く汽笛に張り合うように、一声大きく張り上げて、「夢よ叫べ」。
4曲30分のステージ、全体的に短い持ち時間になにもかも歌いつくしてしまおうというような性急な演奏で、正直なところもう少しじっくり歌やギターを聞きたかった。轟音もここの小さめの音量では少々分が悪かったと思う。でもそんな点も含めて、はじめて観るだろう聴衆も多く含まれているだろう大観衆の前で、素っ裸に自分をさらけ出してしまえるエンケンという人の大きさに感動しました。

サブステージに世武裕子。森信行(ds)、鈴木ちひろ(keyb、吉田省念と三日月スープ)をバックに鍵盤(フットベース付き)の弾き語り。びゃーっいうオルガン(?)の響きがいい感じやなーとか思いながら、暑さとアルコールでぼんやり聞いていた。後半岸田さんがギターで入ったりしていたようです。そしてメインステージにはぞろぞろと7人の天台宗のお坊様が。京都魚山聲明研究会による声明の演奏(って言っていいのかな)。完全に意識を失っておりました。

はっと目を覚ますと二階堂和美がサブステージでリハ中で、こらいかんと起きだして前方に駆けつける。いつの間にか空は曇り空で、涼しげな風が吹き込んでいます。
広島の地元ではじめてできた音楽仲間という黒瀬みどり(keyb)と2人のステージ、かわいらしい「萌芽恋唄」から、身振り手振りもいい感じに歌謡曲入ってる豪快な「女はつらいよ」で聴衆をつかむ。おなじみ「あなたと歩くの」では激しいアクションで、頭にいっぱいつけた花の髪飾りがすべてふっ飛んでしまう。そしてはずれた髪飾りをひとつだけもう一度つけなおして、しっとり「めざめの歌」。じんわりとやられました。
ここでゲストに赤犬のまるむし(vn)登場、くるりのトリビュートに収められた「宿はなし」を歌ったあと、ふたたびにぎやかに「いてもたってもいられないわ」でエンディング。
たった30分のステージなのに、ニカさんの歌はどこでも空気を自分のものに変えてしまうすごい力を持っている、もちろん小さな会場の親密さもいいのだけど、こういう野外の舞台はまた格別に気持ちがいいです。
ちなみにまるむしさんはこのあと大阪にとんぼ返りで、バクトで赤犬のライヴですって。

続いてもサブステージなので、ここで初めてステージ転換の休憩。曇ってるなーと思っていたら、まさかの雨粒!今日は降らんと思ってたんだけどなー。レジャーシートを被ってやり過ごしているうち、小雨になってきたので準備の整ったステージ前に。Jim O'Rourkeです。
いったいどんなセットなんだろうと思ったけど、今日は自らギター・ボーカルをつとめる(本人の言うところ)21年ぶりのバンドでのライヴでした。たとえばこの日の3・4曲目なんか典型的なんだけど、フォーク調で始まったのがノイジーなエンディングからビートの利いたノイ風のハンマービートになるみたいな不思議な展開、ジムがプロデュースしていたころのWilcoにそういうところあったけど、よりパンクっぽくした感じ。親しみやすいポップなメロディなのに、そこここに挟み込まれる変拍子というえらく難度の高い曲を見事にこなすバンドのメンバーは、石橋英子(keyb)、山本達久(ds)という達人たち。ベースは、ジムの紹介がぼそぼそとしていて聞き取れず、見覚えあるんだけどなあと、あとで調べまくったところ、メルト・バナナやThermoでドラム叩いていた須藤俊明でした。確かナスカ・カーでもやっていたな。ドラマーとしては現在奇形児で叩いてるって、すげえ。
ジムはぱっと見ジャック・ブラックっぽい、ニホンゴのしゃべれる怪しい外人で、歌は決してうまくはないんだけど、なんというか歌心がある。バンドメンバー紹介後に演奏した最後の曲、ボソボソと歌い始めて曲がラウドに盛り上がるとシャウトに転じるあたり、なかなか決まってる。
雨は止んでました。
(ゼッタイに聞き覚えがあるはずとあとで探しまくったら、最初の曲はジムがWilcoのメンバーとやってるLoose Furの「Stupid As The Sun」だった。ところで21年ぶりのバンドというのはルース・ファーもソニック・ユースも含めないワケ?)→追記

「The Ventures 2010 Summer Tour!」というアナウンスとともにメインステージにThe Ventures登場、リーダーであるリズムギター(「Teke-teke guitar」w)のドン・ウィルソン、二代目ノーキー・エドワーズと人気を二分する三代目リードギター(ときたまベース)ジェリー・マッギー、初代ボブ・ボーグル死去後跡を継いだベーシスト(ときたまリード・ギター)ボブ・スポールディングの3人の爺様に、ドラムとMCを担当するのはオリジナルドラマーの息子であるリオン・テイラー。序盤は「二人の銀座」「京都の恋」といったオリジナルの歌謡ヒットで観客をつかみます。ちなみに「京都の恋」と続くストーンズの「黒く塗れ」ではジェリー爺様はエレキ・シタールを演奏してました。この後もMGズの「グリーン・オニオン」の渋いソロとか聞きどころはそこここにありましたが、俄然盛り上がったのは「急がば廻れ」に始まる初期ヒット曲メドレー。このあと「十番街の殺人」「ダイアモンド・ヘッド」「パイプライン」とヒット曲連発で沸かせます。そしてドン爺様の「キシダサーン、サトウサーン」という紹介でくるりの二人が登場すると観客の盛り上がりも最高潮に。「このイベントやってて本当に良かった」という岸田の本当に嬉しそうな顔。二人が参加した「ワイプアウト」でいつものベンチャーズのコンサートでは本編は終わりのようなのですが、今回はリオンおじさんのパワフルなドラムソロをフィーチャーしたアンコールの「キャラバン」も続けて演奏。いやドラムソロもかっこよかったんだけど、予想外だったのはボブ爺がフレットを抑えるベースのボディをスティックで叩いてメロディを演奏するという変則攻撃。さすが芸歴長いといろんなことできるなあ。
若い人には前回の石川さゆり的な意味でインパクトあったんじゃないかな。僕も(石川さゆり同様)わざわざベンチャーズのコンサートに単独で見に行こうとは思わなかったもんね。こうやってちゃんとライヴを見ることができてよかったと思います。そうそう、ステージの袖でニカさんも最初から最後までノリノリで踊り狂ってました。
(The Venturesセットリスト)

日が沈み、ステージの向こうの京都タワーに灯が点るころ、トリのくるりが岸田・佐藤とBobo(ds)、佐藤良成(vn、ac.g)、山内総一郎(e.g)という5人編成で登場しました、みんな黒い上下で決めてます。
「無題」~「さよならアメリカ」で始まる、基本ニューアルバムの曲中心のセット、実はくるりの新しいアルバム、聞いたけどあんまりピンとこなかったんですけど、ライヴで聞くといい曲だなあと思います(毎回こんなこと言ってるな)。岸田は基本アコギで歌専念なんで、山内さんのリードギターと、特に良成さんのヴァイオリンの響きがかなりサウンドに存在感を示してました。ロケーションのこともあってと思うのですが、今回もしっとりとしたメロディアスな聞かせる曲が中心の選曲で、特に中盤「魔法のじゅうたん」から「さよならリグレット」「Baby I Love You」そして「ばらの花」という流れは完璧でした。「ばらの花」では、山内さんのハーモニクスみたいな不思議なリードギターがよかったな。ラストはアルバムの最後の曲「麦茶」。そして、アンコールは「東京レレレのレ」、最後はベンチャーズと声明のお坊さん以外の出演者が全員、岸田に呼ばれて紙吹雪を撒きながら登場する賑々しいエンディングでした。

みんなが聴いているものや自分がすでに知っている音楽以外にも素晴しい音楽が存在しているということを知らしめるために、「音楽博覧会」は意義があるんじゃないかと思います。たとえば石川さゆりとかベンチャーズとか、生で観たらすごいでしょ。きっとニカさんの凄さを今回初めて認識した人もけっこういたんじゃないかな。僕の今回の発見はJim O'Rourkeのロックバンド。またこのバンドでライヴやってほしいな。
僕はふだんはどっちかといえば逆にメジャーなアーティストをちゃんと見ることがないので、そういうもののよさをちゃんと認識することができるのがよいと思います。そういう意味では今回はちょっとこっち側に寄りすぎのセレクトだったかな。

八条通に天下一品があったので、晩飯はそこでラーメンと餃子にビールで…と思ってたのに、店やってなかった。
残念。しかたなく近鉄下の「みやこみち」のハマムラでラーメンと餃子とチンジャオロースーとビール食って、帰宅。さすがにくたびれました。
ハマムラ


ところで岸田繁は髪型ダサすぎ、あれじゃサラリーマンみたいだ、とうちの奥さんが言っていました。

<The Venturesセットリスト>
1. Surfin' U.S.A. '78
2. Ginza Lights(二人の銀座)
3. Kyoto Doll(京都の恋)
4. Paint It, Black(黒くぬれ)
5. Green Onions
6. Carifornia Sun
7. Medley: Walk Don't Run / Perfidia / Lullabye Of The Leaves / Walk Don't Run
8. Slaughter on 10th Avenue(十番街の殺人)
9. Hawaii Five-O
10. Medley: Diamond Head / Pipeline
11. Wipe Out(w./くるり)
12. Caravan

ナタリーにこの日の全アーティスト(なんと声明まで!)のセットリストが載っています。
ナタリー - 豪華セッション続出!くるり主催「京都音博」大盛況
それによるとジム・オルークの演奏した曲、3・4曲目は"Insignificance"、最後の曲は"Halfway To A Threeway"の曲でした。ジムのソロもちゃんと聞かなくちゃなあ。
なおベンチャーズの曲順は上記とちょっと違ってますが、こっちが正解です。
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【2010/09/21 01:03】 | ライヴ | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
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