第9地区
梅田ピカデリー2でピーター・ジャクスンプロデュース、ニール・ブロンカンプ監督のSF話題作「第9地区」を見てきました。いやーおもしろかったです。
もう最近「おもしろい」と言われてる映画を見に行って実際おもしろくって「おもしろい」としかいえないので、なんかダメですねえ。

そこであえて突っ込んでみます。
みなさんお感じのことだと思うのですが、「主人公を異星人化するあの黒い液体の正体って何?」
パンフレットには「ウィルス」って書いてあるんですが、作中ではMNUが感染症扱いしたことはあってもウィルスという表現は実はなかったと思います。
異星人の兵器や宇宙船の技術が、どうやら異星人のDNAに反応して作動するらしいところから見て、宇宙船の起動に必要なこの黒い液体はどうやら異星人のDNAとシステムを媒介するものか、その働きを増幅する触媒のようなものではないかと思われます。これを浴びることで人間が異性人化するというのはなかなかに無理があるところですけど、そうですね、異星人DNAを持ち自己増殖性のあるウィルスのようなもの、というところなんでしょうか。
で、どっから掻き集めてきたんだって話はまだあるんですけど(笑)
いや、つっこんでみましたけど、個人的には細かいことは気にしない性質なんで、どうでもいいんです。
大切なのは、その設定が見事に最後まで主人公を突き動かすものとして有効に作用していると言う点です。この映画の魅力その1はなんといってもこの主人公の必死さにあるんで。
続編があったとしてヴィカス君が元の体に戻ることは難しそうだなと思うと、かなりかわいそうですけど。

異星人があえてグロテスクに造形されているところがポイントだと思います。
どんなに差別はだめだよとか言っていても、じゃあたとえばあんな外見のエイリアンが大挙してやってきたときにいきなり仲良くできるかというと、えっとなるでしょう。差別の本質が異質なものに対する生理的嫌悪感や恐怖にあるという点を鋭く照射していると思います。
この映画のおもしろいところはその先です。結局最後まで異星人と地球人が簡単にお互い理解しあって仲良くなるなんて話にはなりません。でも映画を観ているうちにエイリアンのグロテスクな外観にも慣れて、微妙に感情移入さえさせられてしまうんですね。

いや面白い映画でした。ドキュメンタリー風のテンポのいい展開もいいですし、なんといってもクライマックスの主人公の操るパワードスーツと傭兵部隊の対決は理屈抜きで楽しめます。たった3000万ドルの低予算で並み居るブロックバスタームービーを蹴散らすヒットを飛ばしたってのがこの映画の売りなんですけど、3000万ドルっていえば30億円ですからたいがいですよ。どれだけハリウッドのビッグムービーが無駄遣いしてるかということだと思うんですけど。

原題:District 9
(2009年アメリカ/111分/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD・DTS・SDDS)
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2010/05/10 09:56】 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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コメント
>たけちよさん
あ、そうですね、「それは人間のものだから違う」とか言いながら漁ってましたね。
主人公についてはとんでもない嫌な奴というより、器の小さい小人物というキャラ造型がよくできててそこが良かったです。妙に身につまされちゃって、最後の最後での選択には拍手しかなかったです。俳優さんもよかったですね。
【2010/05/11 11:10】 URL | takut #-[ 編集] | page top↑
私も見ました。おもしろかったです。

液体は宇宙人の装置にごくわずかづつ含まれているんじゃないでしょうか?
だからガラクタ集めて抽出していた・・と。

あの映画の面白いとこは「クリストファー親子」と主人公の嫁以外のほぼすべての主要人物が主人公含めてどうしようもないゲロカス野郎だってとこかとw
【2010/05/10 19:16】 URL | まつだいらたけちよ #-[ 編集] | page top↑
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