家族を巡る物語/内宇宙への道はどれか
5月20日付の朝日新聞の朝刊には「家族を巡る物語」と題された桜庭一樹の寄稿。
「虐げられた幼い被害者たちの成れの果て」として、「永遠の子供」として、「少女が通過儀礼を経て”家出”する話と、そうして都会を一人で”放浪”する話」を書き続けてきた作者が、自身の結婚を期に加害者となるかもしれない可能性を孕みながらも「物事の当事者となっていかなければならない」決意を語っていて、かなり読み応えがある。

夕刊の文化面では柳下毅一郎がバラードの追悼文を書いていた。
バラードが好んで描き続けた「テクノロジカル・ランドスケープ」について、「現代人にとっての自然とはメディアとテクノロジー、テレビとケータイとインターネットの中にあるのではないか?」と問いかける。
カルト作家としての限定的な評価にとどまっているように思われるバラードの重要性について、より幅広い場所に届かせようという文章。柳下さんは最近(少なくとも新聞のようなメジャーな媒体に登場する時は)「特殊翻訳家」という肩書きをあまり使っていないような気がするが、それは意識してのことなんでしょうね。この呼び名自体はもちろん「特殊漫画家」根本敬へのオマージュなんだが、「特殊」をつけることで、「特殊」というカテゴリーに押し込められた視点の普遍性を世間が受け入れにくくなるのなら逆効果だしね。

朝日には載っていなかったが、毎日の朝刊には頼近美津子とならんで太田龍の訃報が載っていた。享年78歳(期せずしてバラードと同じ!)。
日共→革共同→第四インターと仮にも戦後日本の新左翼の影響的な位置にいた人間が、その後アイヌ解放運動から反家畜制度へとどんどん微妙な方面にシフトしていき、最後は大真面目にイルミナティの陰謀を唱える陰謀論者と成り果て、ついには人類は爬虫類人に支配されていると主張してと学会の評価を得るにいたる過程はなかなかに感慨深い。
今回、この人についての情報を集めようと思ってあちこち見て回ったのだけど、この人のサイト(どうも周囲の人が運営しているようだが)にしても副島隆彦にしてもこの周辺の方々のブログってどうしてこうも読めないのだろう。本屋に並んでいる本は(内容はどうか知らんが)ちゃんと日本語になっているのは、編集者の力なのだろうか。この界隈ではカナダ出身のベンジャミン・フルフォードが一番ちゃんとした文章書いているというのは、反米・伝統主義者の方々にとって非常にマズイと思うのですが。
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【2009/05/20 23:29】 | | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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