最◎後 ~猛者感謝祭~(8/21、宗右衛門町ロフトプラスワンWEST)
地下アイドルの現場ではだいたいどこでも、TO(トップオタ)と呼ばれるファンがいて、そのアイドルのライヴでは必ずいつもフロアの中心にいてノリを先導して仕切っている。細胞彼女にもそういう人がいて、この日も花束やクラッカーを用意してうてにゃんの生誕祝いのサプライズを企画している。そんなファンたちの作るフロアの空気が演者のパフォーマンスに与える影響が大きいのは、別にアイドルのライヴに限ったことではない。僕は昨年の春から5~6回ライヴを見た程度のファンだけど、細胞彼女のパフォーマンスも、「猛者」と呼ばれるオタクたちの作るフロアの空気も大好きだった。

細胞彼女はうてにゃんことうてなゆきをフロントに、小倉ヲージがディレクションを務める大阪のソロアイドルユニットで、2014年5月にステージデビューを果たして2015年9月には全国流通盤のファーストアルバムをリリースし、そのエクストリームでキュートな独自の音楽性で注目を集めていた。今年1月末には東京鹿鳴館でワンマンライヴも成功させて、いよいよこれから全国規模の活躍が期待される中、3月、ただ活動終了とすでに決まっていたいくつかのライヴのキャンセルが告げられるステートメントがSNSで公表された。
僕のような弱いオタでさえ多少の動揺はあったのだ。TO氏はじめとする猛者の方たちの衝撃はいかほどだったろう。経緯も理由も何もわからないちゅうぶらりんのまま、もう細胞彼女を見ることはないのだなとあきらめかけていた時に、「猛者感謝祭」と銘打たれた最後のライヴがアナウンスされた。さすがに猛者を名乗るには気が引けるけれど、ファンのひとりとして最後を見届けようと出かけてきた。

イベント前半は田辺ユウキさんの司会によるうてにゃんのトーク。
乾杯のあいさつですでにウルウルしているうてにゃん。早いってw。スペシャルメニューのめんたい釜玉うどんに、配られたうまい棒をうてにゃん流に砕いてかけて、みんなで声をそろえて「いただきます」。うん、うまい。(実は待ちきれずに開演前に食してしまったのは秘密)
うどん

以下トークより、細胞彼女としてのこれまでや今後の活動予定などについて答えた部分を中心にメモ。
・細胞彼女やっていて「やった!」って思ったこと→マーティ・フリードマンにコラムで取り上げられたこと&メタル雑誌(「ヘドバン」)に登場したこと。
・細胞彼女をやっていたおかげで会えてうれしかった人→NARASAKIさん(特撮)、ぽよよん💛ろっくさん(イラストレーター、アニメーター)。
・細胞彼女で目指していたこと→実はTIFに出たかった。
・これからの活動→まずはお絵かき屋さん(イラスト仕事)を始める。
・音楽活動は?→アイドルと言えるかどうかわからないけれど音楽活動は必ずまたやります。歌いたいし、自分は曲は作れないけれど世界観を広げて巻きこんで作り上げていくことができると思うので。
・細胞彼女で一番の思い出→ワンマン…でもあまり練習できなかったのが後悔。関西でも(ワンマンのような大きなライヴを)もっとやりたかった。
・トシは何歳?→初めて買った超合金は大空魔龍です。
以下ゲームその他のオタ話に花が咲き、トークは1時間あまりに及ぶ。
うてな(田辺に)「ガンプラとか作らなかったんですか?どういう青春送ってたんですか!」
終盤ウトウトしてしまった。うてにゃんの良く通るちょっとファニーな高い声は心地よい。

猛者たちが次々と壇上にあげられて晒されながら私物にサインしてもらうという「エクストリームサイン会」を経て、お待ちかねのライヴが始まる。まずはmarble≠marbleフジタダイスケさんのキーボードとベアーズPAの栗本さんのギターをバックに、被せのきつい普段の細胞彼女のライヴでは聞けないうてにゃんの生歌をしっかり聞かせようというスペシャルアコースティックセット。これがすごく良かった。
まずゲーム「リトルバスターズ!」の挿入歌「Alicemagic」。初めて聞く曲だけど、うてにゃんの伸びやかな声が、旅立ちを歌う明るい曲調によく似あう。一番ではなんとか持ちこたえたものの二番の「伝えられなかった言葉を 言えたら最後にしない/僕らの旅 また分かれ道でも」で涙交じりになってしまい、でも三番ではなんとか持ちこたえて「失くさないよう魔法かけて さよならを伝えない/歩き出すよ またいつか」と力強くしめくくる。
そしてうてにゃんを含む3人とも飼い主(いずこねこのファン)ということで、2曲目になんといずこねこの「nostalgie el」。変拍子があちこちに仕掛けられた難しい曲をテンポをおとしてしっかり歌う。ぼくが最初に細胞彼女のパフォーマンスを見たイベントで、南波一海さんか吉田豪さんが言った「ルックスはカミヤサキっぽくてパフォーマンスはミズタマリっぽい」というコメントを思い出す。この間のmarble≠marbleのイベントでも強く感じたことだけど、ソロアイドルに与えたいずこねこの影響力の大きさを再確認する。そして突然の活動休止から日を置いての最終公演といういずこねこの終わりの日々が細胞彼女にダブって。
このセット最後はなんと細胞彼女の「マッカートニートーテムポール」!。ほとんどゴロ合わせの様な歌詞なのにフジタさんのピアノが素晴らしくてドラマチックに聞かせてくれる。
アコースティック編成

前方フロアの椅子とテーブルが片づけられ、いよいよ細胞彼女のラストライヴ。短いイントロに続いてうてにゃんが再登場し、あとはあっという間だった。「CELL OUT」で綱引きし、「単細胞生物都市」「マッカートニートーテムポール」で声を上げ、スクラムを組み、ケチャをする。TOがケチャの真ん中で上がってうてにゃんに対峙し、そのまま猛者の上を運ばれる。最後は「最◎暴」でフロアに飛び込んだうてにゃんのまわりに大きなサークルを作った。曲が終わり、サークルを先導していたTOがうてにゃんにハグされて号泣する。これにて終了、というところで、でもまだやらなきゃいけないことがある。「ちょっと待った!」と声をかけ、フロアから沸き上がる「Happy Birthday」の合唱と共に花束の贈呈。泣きながら「(特典会)4時には完全終了だからね」とアナウンスするうてにゃんがおかしい。
花束を抱えたうてにゃんと一緒に記念写真を撮られているTOの泣き笑いのような表情を見ながら、ああ、いいイベントだったと思った。
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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

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