BELLRING少女ハートワンマン『B』(4/30、水道橋TOKYO DOME CITY HALL)
正月にZepp東京で行われた「Q」に続くBELLRING少女ハートのワンマンライヴ第2弾「B」。普段ライヴのための遠征はほとんどしないし今回も迷ったのだけど、最終的に諸般の状況が整い参加することになった。ベルハーにとって大きなステップボードになるだろう公演を見ておきたかったし、単純に地方にいて昨年1月の「黒い羽集金ツアー」以来体験する機会のなかったロングセットのベルハーのライヴを見ておきたかったんだ。
TDHC

東京ドームはストーンズを見に2回行ったことがあるけれど、今回の会場のTOKYO DOME CITY HALLはその手前の商業ビルの中にあって3000人収容できる大きなホールとのこと。入場して2階3階のバルコニー席からアリーナを見下ろしてみたら、確かに馬鹿みたいに広くて笑ってしまった。
開演前
開演前にはもう少し埋まっていたんじゃないかと思うけれど、なんせ最前ブロックにいたのでよくわからない。でも前の方でも軽く振りコピできる程度の余裕があってすごく快適。
ステージ上には瓦礫の転がる廃墟のような壁のセット。中央の階段上にはグラフィティ風のベルハーマークの描かれた壁があってその前が小ステージになっている。壁の上には丸いスクリーンがあって開演までの間はここにもベルハーマークが照射されている。

開演時間を少し回ったところで客電が落ち、上部ステージの両脇から登場したメンバーたちが階段を駆け下りてきて、レーザー光線が派手にとびまわる中「ヴァント!」のエレクトロビートに合わせてドイツ語で煽りまくる。ここで激しい曲を続けるのではなく、まずは「或いはドライブミュージック」で幻想的な世界を見せていく。レーザーの中を楽しげに飛び回るカイちゃんが印象的だったのはこの曲だったか。
「ダーリン」終わりの暗転から上部ステージにお馴染みのフォーメーションのシルエットが浮かび上がる「アイスクリーム」へ続くファーストアルバムの陰鬱でドラマチックな曲の流れは、ベルハーの魅力の原点だ。「アイスクリーム」ラストの絶叫から一転して、楽しげな「プリティ・シャロウ」へ、そしてミニマルな「クロノスの鎌」、ボイストラックだけをバックにした「男の子、女の子」とセカンドアルバムからのヴァラエティに富んだ曲が続く。この辺最近の短めのライヴではほとんど見られなくなっているので嬉しいところ。

ファンキーに会場を上下に揺らす「GIGABITE」から、ハードなリフのイカす「get rid of the Chopper」「Manic Panic」と、ダイナミックなハードロック曲を畳みかけてようやくアゲに来たかと思えば、今度はまた「The Victim」「Karma」とテクノ曲へシフトチェンジ、毎度のベルハーの長尺ライヴならではの波状攻撃だ。しかし同じテクノ風味でも、完全に4つ打ちの「The Victim」と違って「Karma」は掛け声やMixも映えるしケチャどころもあるし、実にヲタフレンドリーな曲だな。
「ぼくらは生きてる」のライヴも初めて聞くけれど、ウキウキして自然と手拍子してしまう。れーれがフラッグを振り他のメンバーが階段上で踊る前で、なぜか置かれたちゃぶ台のうしろにどっかとあぐらをかいたカイちゃんとランドセルを背負って小芝居する甘楽。
「get rid of~」での火薬の破裂音や「The Victim」の降り注ぐレーザー光線など目を惹く演出はたくさんあれど、どんな特効もカイちゃんのちゃぶ台返しにはかなわない。

ここから「World World World」「c.a.n.d.y.」「ホーネット'98」「チャッピー」と新旧の定番曲を連ねて前半のクライマックスへなだれ込んでいく。最近「ホーネット」が楽しくてしょうがない。切なくドライヴ感のある曲にちょっとコミカルで物語性のある振付、サードアルバムの中では間違いなく「チャッピー」と並ぶ代表作だろう。去年のじゅりゆう卒業ライヴを思い出させる「Cherry」は初めて振りの入った現メンバーの歌割で見ることができた。そして「Crimson Horizon」から「Starlight Sorrow」という胸に迫る流れ。

MCなしのノンストップでここまで1時間半くらいか、ここで何の説明もなく休憩タイムに入り、5人のメンバーたちは明るいステージの上を三々五々うろついたり、寝転がったりしている。3分程度のブレイクが終わると、メンバーは静かにステージ中央に集まり、開場が静まり返る中スクリーンに映し出された時計の映像と共に「Room24-7」が披露される。そして「無罪:Honeymoon」から「Low tide」へミニアルバム「13 Weeks Later EP」のクライマックスの2曲。絶妙にコントロールされたライティングの元で演じられるこのあたりの流れが、間違いなくこの日のハイライトの一つだったと思う。「low tide」がぶつ切りで終わって、そのまま「鉄の街」につながるミニアルバムの流れをライヴで初めて観ることができたのも非常にうれしかった。ところで「low tide」の、静止している他のメンバーひとりずつにみずほが回って触れていく振り付けはなくなったのかな。
ここで「憂鬱のグロリア」、いよいよエンディングに向けて一気にぶち上げていくのか思うと、ぼんやりダークな「雛鳥エスカレーション」が挟まれ、一筋縄でいかない。
続く2曲「WIDE MIND」の「歩きだせ―」と「いんざれいん、いんざだあく」の「宇田川交番がんばれー」には、どちらもたまの「さよなら人類」の「着いたー」のエコーを感じるのは僕だけだろうか。カイちゃんがそのたまの石川浩司さんとえんがわで共演することになったのは必然だったのだと思う。

「タナトスとマスカレード」が静かに始まると階段上で2本の炎が上がる。曲が激しくうねりだして後半のギターが猛り狂うパートに入った途端、火柱は8本に殖えて一気に火勢を増して燃え上がる。客席まで届く炎の熱風に煽られるかのようにメンバーが声を張り上げて舞い、ヲタたちが雄たけびを上げる。
「ノーマ・ジーンは雷に打たれて死にましたとさ」というみずほの口上から「サーカス&恋愛相談」が始まり、あとは「the edge of goodbye」「asthma」と怒涛のクライマックスに一直線。会場が柵で区切られていたため、「asthma」のラストでは小さいサークルがあちこちにできている。曲の最後のメンバーたちのパフォーマンスが好きだから、僕はいつもサークルには入らない。ここぞと人が薄くなった最前に入りこんで、呆けたようにステージ上のメンバーを眺めていると、メンバーの頭上からたくさんの白い羽根が舞い降りてくる夢のようなフィナーレ。そして階段上のベルハーマークの壁が左右に開いて、メンバーが吸い込まれていく。

舞い降りてくる黒い羽の中アンコールを求める歓声に重なるようにズン…ズン…というSEが響き、そして破壊音とともにベルハーマークの壁をぶち破りハンマーを担いだ5人のメンバーが登場、派手なギターイントロが鳴り響いて「rainy dance」が始まる。さらに終盤「もう逃がさないよ」のタイミングで派手な破裂音と共にステージ両脇から黒いテープが観客に向かって発射されたり、外連味のある演出がハマる曲だ。
セカンドアルバム「UTU」のタイトル曲ともいえる名曲「UNDO」、そしてサードアルバムのタイトル曲「BEYOND」。ふざけまくったアレンジのポップな曲で「情熱を失うことは此レ即チ消滅デス」なんてさらっと歌われるこの曲、ベルハーらしさの塊みたいな大好きな曲のだけど、この日は5人がそれぞれ担当カラーのポンポンを持ってのダンスが楽しい。
「みんなのファンをいただきますBELLRING少女ハートです!」、ライヴが始まって2時間35分、ここでようやくこの日唯一のMCが入る。5人の自己紹介に続いて相変わらずのグダグダ気味なしゃべりが続いた後、あらためてみずほのバンドメンバー紹介(全員パートは「ヴォーカル」)があり、ラストは観客も一緒になって「Bedhead」の大合唱で大団円を迎える。

花
前半はちょっと歌が弱いかなと思う時もあったけれど「GIGABITE」あたりから調子が出てきたように思う。練習の成果あってか、とにかくパフォーマンスのキレは最初から最後まで半端なく素晴らしい。800万の借金を作ったという過剰なまでに豪華な特殊効果やステージセットは、しかしメンバーのパフォーマンスを最大限に生かしてステージ上に一つの世界を作るためによく計算されていて、この辺がベルハー運営の田中さんが「プロデューサー」ではなく「ディレクター」である所以なんだろう。
こういう大舞台だと、ベルハーのパフォーマンスにおける振り付けの重要性を再確認させられる。「アイスクリーム」の冒頭のタブローのようなシルエット、「The Victim」で振りしきるレーザーの中身をくねらせる5人のなまめかしい指先、「Room24-7」で逆回りする時計の下で後ろ向きに置き上がり歩きだす5人の姿、「タナトスとマスカレード」で火焔をバックに揺らめく黒い羽根たち…。どの曲もしっかり振り付けがあって、曲も歌も背景も一体となって一つの世界を作り上げているところが、凡百のロック系アイドルたちとベルハーの異質なところだ。そんなベルハー世界の集大成を堪能することができた2時間40分だった。

最後の最後、あーやんが「これからも5人のベルハーをよろしくお願いします」とメッセージを残し、5人が退場する。何度もメンバーの入れ替えがあったし、これからも新メンバーの追加もあるかもしれない。でも、今現在はこの5人のベルハーが最強だ。
あーやん、復調して戻る日を待ってるよ!

たのしかったワンマンライブ
オフィシャルのtwitterより無断転載。
[セットリスト]
BELLRING少女ハート「B」@東京ドームシティホール(2016/4/30)
1. ヴァント! 
2. 或いはドライブミュージック
3. ダーリン
4. アイスクリーム
5. プリティ・シャロウ
6. クロノスの鎌
7. 男の子、女の子
8. Cold Flavor
9. GIGABITE
10.get rid of the Chopper
11. Manic Panic
12. The Victim
13. Karma
14. ぼくらは生きてる
15. World World World
16. c.a.n.d.y.
17. ホーネット'98
18. チャッピー
19. ボクらのWednesday
20. Cherry
21. Crimson Horizon
22. Starlight Sorrow
23. Room 24-7
24. 無罪:Honeymoon
25. low tide
26. 鉄の街
27. 憂鬱のグロリア
28. 雛鳥エスカレーション
29. WIDE MIND
30. いんざれいん、いんざだあく
31. タナトスとマスカレード
32. サーカス&恋愛相談
33. the Edge of Goodbye
34. asthma
E1. rainy dance
E2. UNDO
E3. BEYOND
(MC)
E4. bedhead
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テーマ:LIVE、イベント - ジャンル:音楽

【2016/05/01 02:35】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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