モシモシの夏(8/29、神戸元町space eauuu)
space eauuu
スペース・オーは元町の駅に近い雑居ビルの3階にあるフリースペース、でも狭い階段を上って中に入ると、意外とゆったりしていて心地いいです。長方形のスペースの1辺がステージになるのだけど、PA設備はなく、おそらくヴォーカルの出力用と思われる小さなサッカーボール型のスピーカーが左右に1つずつ、あとはギターアンプ、ベースアンプからの生音になる模様。上手にフロアタムとスネア、ミニハイハット、サイドシンバルだけのシンプルなドラムセットがあって、ちんぷんかんぷん/他力本願寺のまさをさんが全アクトで大活躍することになります。
space eauuu2
このセットだったらアンプラグドに近い弱音セットになるかな、と思うし、実際事前にはそういうツイートも目にしていたはずなんですけど…。

いつもはまさをさんがギターでゆうこさんがピアニカというデュオ編成のちんぷんかんぷん、今回は早川洋平さんのベースと貝つぶさんのギターを加えてまさをさんがドラムをたたくバンド編成です。
まずはファーストアルバムの冒頭に収められていた「きみとぼく」をCDより少しテンポをおとしてゆうこさんが歌います。続いてとてもキュートな「ねこのうた」、まさをさんがドラムを叩きながら歌う「わすれる」、そしてふたたびゆうこさんが歌う「まぶしい」「かお」と、演奏されたのはすべてファーストアルバム「ちんぷんかんぷん」からの曲。基本的にビートを強調したバンドらしいアレンジで、貝つぶさんのギターソロの入る「まぶしい」なんかはちょっとブルージーな感じで、オリジナルとまた違った印象を受けました。というか、家に帰ってからファースト聞き直していて気付いたのですが、ゆうこさんが歌った曲、「ねこのうた」以外はもともとアルバムでまさをさんが歌っていた歌やないですか。最初の「きみとぼく」で気付いてしかるべきところなんだけど、ぜんぜん違和感がなかったんです。
最後はまさをさんが歌う「なれる」、2012年の最新作「ちんぷんかんぷんのまど」に収められた曲で、オリジナルはアコースティックギターとキーボードの最小限のバッキングに抑えた歌唱が胸に迫る曲です。この日は、静かに歌いだされた歌が、次第に熱を帯びるバンドの演奏とともに高まり、「ことばが頭上から降ってくる」クライマックス以降は力いっぱいフロアタムを叩きながらの絶唱となっていました。声を張り上げない普段のちんぷんかんぷんのスタイルからすると、大きな冒険だったのかもしれません。もともと抑えた歌唱のうちに潜んでいた「叫び」が、バンドの演奏で増幅され、殻を突き破って表出したようなカタルシスがあり、見ている僕も思わず叫びそうになっていました。

アコースティックギター+ヴォーカルとエレキギターの2人組、ヘルベチカは初見です。
まず1曲目、一聴して言葉のはっきり聞こえるフォーク調の歌ものと思いきや、リヴァーブのかかった幽玄なエレキギターの音色が全体のトーンを支配していて、途中でぬるっとテンポが落とされたり、そこはかとなくアシッドな空気感が漂います。
2曲目からはまさをさんがドラムで加わり、マレットでそっとアクセントをつけたり、シンプルにロックしたりとサポートします。この編成での演奏はちょっと後期のヴェルヴェット・アンダーグラウンドを思い起こさせます。
最後は再び二人での演奏、この曲のギターの切込みが圧倒的で素晴らしかったです。他のバンドばかり引き合いに出して申し訳ないのですが、ギターと歌の絡み方が、僕の大好きなクレイマーの名盤「The Guilt Trip」みたいだったな。

ひさしぶりに見る他力本願寺、サイケ奉行やプレイグラウンド、ヰタセクスアリス、ノイズわかめなど数多くのバンドでベースを担当する須原敬三さんがギターとヴォーカルを担当するリーダーバンドです。
おぼろげな光を放つ須原さんと長濱さんの2本のギターによる長いフリーフォームの絡み合いののち、ゆるっとコードカッティングとリードギターに分化し、須原さんの歌が生々しく乗っかり、さらに引き摺るような重いビートがよっこいしょと腰を上げます。時間の感覚を失わせるような浮遊感のあるグレイトフル・デッド直系のサイケ、でも須原さんの歌が音楽を現世につなぎとめているような印象があっておもしろいです。
2曲目は打って変ってハードにドライヴするブルーズロックで、もはや弱音なんて設定はどこかに行ってます。この路線はかなりこのバンドと相性がいいと思います。ぜひニプリッツあたりと対バンしていただきたいところ。
暗い曲ばかりという反省から作ったというバラードナンバーで最後を締めくくりますが、確かに曲調は暗くはないのだけど…明るくはないような…ほの明るい光が感じられる、という絶妙な感じ。
最初の曲が長かったので全3曲で30分のステージでした。たぶん3曲ともアルバム未収録の曲で、そろそろセカンドアルバムが出てもいいころじゃないでしょうか。
他力本願寺

この日のトリを務めるのは頭士奈生樹です。
ステージの真ん中にギターを抱えて腰かけた頭士さんがひとり、おもむろにきらめくようなフレーズを爪弾きだし、重ねていきます。少しづつ風景が移り変わりながらゆったりと時が流れる間に、密やかに呟くように歌が歌い出されます。「Ⅲ」に収められた「最後に」。
2曲目もまた静かにギターのフレーズが積み重ねられて始まるけれど、途中からゆったりとしたコードストロークに塗り替えられ、今度は歌の代わりに眩い歪んだ音色のギターのソロが咆哮し続けます。ここまで2曲で40分。圧巻でした。
最後に他力本願寺が加わり、バンド編成でファーストアルバム「PARADISE」に収められたフォークロックナンバー「童話」が演奏されます。頭士さん・須原さん・長濱さんの3本のギターの分厚い轟音とその間でひっそりと呼吸する頭士さんの歌に痺れました。

頭士さんと他力の共演がYouTubeにアップされてました。

ライヴハウスの爆音とは違うけれど、生々しい轟音と密やかな歌の両方が胸に迫る、いいあんばいのイベントでした。
[関連ライヴ]
ノイズ新年会2014(2014/1/12、難波BEARS)(他力本願寺)
THE SECRET SUMMER FESTIVAL"かくれギューン夏祭り2012"(2012/9/15、難波BEARS)(他力本願寺)
他力本願寺レコ発(2012/8/19、難波BEARS)(他力本願寺)
播州闇市ショウ(2010/12/5、姫路マッシュルーム)(ちんぷんかんぷん)
BEARS 23周年記念(2010/4/29、難波BEARS)(頭士奈生樹)
Song of Songs 2009 ~Darkness Side(2009/5/31、難波BEARS)(頭士奈生樹)
ギューン秋祭り2006(2006/11/5、十三FANDANGO)(頭士奈生樹)
阪神淡路大震災復興支援チャリティコンサート(2005/5/1、芦屋山村サロン(頭士奈生樹)
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テーマ:LIVE、イベント - ジャンル:音楽

【2015/08/30 09:34】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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