祝春一番2015(5/5、服部緑地野外音楽堂)
加川良佐藤良成佐久間順平佐藤GWAN博山中一平トリオ曽我部恵一豊田勇造withラグパパス・ジャグバンドTHE END小谷美紗子moq moqリクオ小野一穂リトルキヨシトミニマム!gnk!ハンバートハンバート

今年も一家で祝春一番に出かけてきました。
前日は小雨交じりの天気だったのですが、この日は雲一つない快晴、連休で一番暑い日となりました。
11時開場の予定だったのが、10分ほど早く開場すると、すでにステージでは加川良さんがすぎの暢さんのペダルスティールを従えて歌いはじめています。なんという贅沢!
加川良、「春夏秋冬」(泉谷しげる)や「どうにかなるさ」(かまやつひろし)といったカヴァーも良かったけれど、最後の「幸せそうな人たち」などオリジナルの曲がやはりすごく印象に残りました。「Dの月」というフレーズが耳に残るあの曲はなんていう歌だったんだろうな。

病気欠場の奥村ひでまろさんの代打と言うことで2番手からスペシャルなアクト、ハンバートハンバートの佐藤良成がソロで登場します。いつものハンバートの時にお馴染みのギターやフィドルではなく、ピアノ弾き語りというのが意外です。何でもできるんだなあ良成さん。「お弁当」「虎」などハンバートの曲を含む4曲のセット。

春一番では必ず何人かのゆかりの深い先達の歌が後輩や仲間によって歌われるのですが、その代表格が高田渡です。この日も佐藤GWAN博が渡さんの代表曲「ブラザー軒」を歌ったのでした。
たしか去年はステージ上に登場していた渡さんの愛用の自転車(実は三輪車なんですが)が、ステージの下手上方にETの天を駆ける自転車よろしく飛んでいます。渡さんの歌はこの日またほかのミュージシャンにも歌われることになります。僕は残念ながら春一番でも渡さんの演奏を見ることはなかったのですが、こうして毎年毎年渡さんの音楽に触れ続けるのです。

アコースティックギター1本で登場した曽我部恵一が、1曲目にRCサクセションの「九月になったのに」を歌ったのはちょっと不意打ちでした。前日にたまたま録画で見ていたRCの「シングルマン」の特集番組で曽我部さんが「甲州街道は秋なのさ」を歌っていたので特に、なのですが。曽我部さん、春一番だと毎回センターステージで歌っている印象が強いのだけど、今年はメインステージでの演奏で、まるで真夏のようなキツい昼の陽射しの中、「サマー71」から「青春狂騒曲」「サマーソルジャー」「若者たち」とサニーデイサービスのナンバー連発の夏らしいセットで決めてくれました、最後が「キラキラ」だったのもうれしかったなあ。

個人的なこの日のお目当ては、昨年急病のため春一番をキャンセルして休業されていた遠藤ミチロウさんの復帰のステージでした。今回はギター・ナポレオン山岸(ex.ファントム・ギフト、ナポレオン)、ベース・西村雄介(MOST他)、ドラム・関根麻里(渋さ知らズ)のTHE ENDというバンド編成ということで、さらに期待が高まります。たしかすごく昔、90年代初頭に山岸さんがギターを弾いていたスターリンを見たことがあるのですが、ひたすらへヴィでサイケだった覚えがあります。
この日の演奏は、炎天下に揺らめく陽炎のようなギターに導かれてタンバリンの音がビートを刻み始め、ベースラインが加わり、他ならないThe Doorsの「The End」で始まりました。「This is the end、もうすぐ終わりだ」と元の詞のイメージを基にミチロウさんが自由に膨らませた日本語の詞は、いつの間にか激しい怒りに満ちた「俺のまわりは」の詞をまるまる取り込んでます。催眠的なビートに激しくノイジーに絡むギターに煽られるように、蛇にまたがり父親を殺し母親を犯したいという、オリジナルのジム・モリスンのあからさまにエディプス的な内省は換骨奪胎され、蛇に首を絞められて息苦しいぜ!おやじを殺せ!おふくろを犯せ!というアジテーションとなります。そして、今度はそのアジテーションに挑発されたかのようにビートが加速し、ついにはカオティックな音の渦に飲み込まれていきジ・エンドを迎えるのです。
うって変ってたたきつけるようなドラムのビートにお馴染みのへヴィなワンコードのリフがかき鳴らされます。そして被さる「オマエなんて知らないッ」というミチロウの呪詛のような叫び、後期スターリンの代表的ナンバー「虫」です。「笑うことさえできないか!」。いや笑いが止まりませんよ!ここまで2曲で約25分、圧巻です。
ここでミチロウさんアコースティックギターをとり、演歌調のあべのぼるトリビュート曲「大阪の荒野」で少しシフトチェンジ。汚物にまみれた大阪の荒野に怒りのあまりよみがえる阿部さんの姿が泣かせます。
そしてメンバー紹介から間髪を入れずにふたたびへヴィなリフが鳴り響き、「オレの存在を頭から輝かさせてくれ!」と「ワルシャワの幻想」が始まります。町田町蔵の「メシ食うな」への返歌とも言うべきスターリン時代の名曲、「お前らの貧しさに乾杯!」音も言葉も全く古びておらず今もまだ痛烈なアイロニーとして有効なのが素晴らしいです。
ミチロウさん、ご健在でした。かなり暑かったですし、実際の体調はどうだったのかわかりませんが、少なくともステージの上では以前より若返っておられるのではないかとさえ見えました。このTHE ENDの活動も1回限りではなく、継続して行ってほしいものです。

ハンバートハンバート、前日はこんがり音楽祭に飛び入りしてオシリペンペンズのゲストで「カントリーロード」1曲歌ったようです。ゆうほ「今日も1曲しかやりません…ウソだよ。」なんて軽口がいかしてます。春一番のハンバートは毎回この舞台を意識したステージなのですが、今回はこの日の大トリということもあってか、特に春一番スペシャルと言うべきセットでした。
「コットンフィールズ」「長いこと待ってたんだ」にはじまり、高田渡の「生活の柄」、さらに加川良の「教訓Ⅰ」は途中からご当人が登場し、「おなじ話」では良成さんのかわりに遊穂さんとデュエットすると言うスペシャル。さらに最後はあべのぼるの「オーイオイ」で会場中を沸かせまくって、アンコールは西岡恭蔵の「春一番」という演奏した7曲中5曲がカヴァーと言うオヤジ殺しの選曲。
自分たちのオリジナルからまず歌われたのが、ステージに立てることの喜びをストレートに表現した「長い間待っていたんだ」なのも、春一番への強いリスペクトを感じさせます。でもそれだけではなく、たとえ偉大な先達の、それもそのアーティストの看板のような代表曲であっても、自分たちが歌えばハンバートハンバートのレパートリーとして成立するという強烈なプライドを感じさせられる素晴らしい演奏でした。
とはいえ、アンコールでもう1曲ぐらい、ハンバートらしい甘い毒の効いたオリジナルナンバーを突っ込んでおっさんをうならせてほしかったという気持ちが少しあります。ちょっとダークすぎるかもしれないけど僕は「怪物」みたいな曲が聞きたいな。

ほかにはリクオのステージがとびきりカッコよくって、ラグタイムピアノに惚れ込んだムスメにCDをねだられ購入しました。
この日リクオが演奏した「新しい町」って曲、我が家ではギターパンダのレパートリーとして認識されているののだけど、調べたらカンザスシティバンドというグループがオリジナルみたいですね。

でもよく聞くとギターパンダのはちょっと歌詞が変わってる。リクオさんの歌ったのはやっぱりギターパンダヴァージョンでした。
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【2015/05/06 11:13】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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