来星~テニスコーツの二日間(3/1、北堀江 アオツキ書房)
ひさしぶり、実に1年半ぶりにテニスコーツのライヴに出かけてきました。
会場は堀江に移転したアオツキ書房、2日連続公演の2日目になります。
ビルの2階と3階の店舗の3階が広い座敷になっていて、椅子が並べられライヴが行われます。めっきり本が読めなくなってしまった自分だけど、大好きな本や、読んだことはないけれど読んでみたかった本に囲まれて開演を待っている時点で心が躍ります。
会場にはいったらテニスコーツのおふたりはすでにスタンバイしていて、リハーサルがてら最前列の観客とコラボの練習したり、植野さんがギターでサティ演奏したりして、時間になっておもむろに本編に入ります。

植野さんがアコースティックギターを爪弾き、さやさんがアコースティックギターからピアノ、鍵盤ハーモニカと持ち替えながら歌います。ステージの上には集音マイクが1本だけ置かれていますが、基本的には生音による演奏です。耳を澄ませていると、どこからともなく風の音が聞こえたりします。隠れていて見えなかったのですが、これがあとで梅田哲也さんの振り回すチューブ状の装置の起こす音だったとわかります。
アオツキ書房の店主さんやお客さんが繰り返すコーラスにさやさんの歌を合わせたり、植野さんのソロ曲であるお風呂の歌を歌詞を1音節ごとに切り分けてお客さんとさやさんで交互に歌ったりという試みがあり、このあたりから観客も何気なくリフレインに声を合わせて参加するムードができ上がってきます。
第一部では終盤のビル・ウェルズの「レインドロップス」というカバー曲、たぶん最近出たテニスコーツによるビル・ウェルズカヴァー集には収められていない曲だと思うのですがこれがすごく良かったです。植野さんのアコースティックギターのフィンガーピッキングにさやさんのピアノが美しく合わされてさらに梅田さんの風音が通り抜けます。最後には激しくかき鳴らされるギターに風音も轟々と吹き荒れているうちにそのままメドレーで「まあるい人」につながっていきます。このパートがおよそ15分くらい、間違いなく第一部のハイライトだったと思います。
ほかに植野さんのソロ曲コーナーがあったりストーンズのカバーがあったり盛りだくさんで、ここまでですでに1時間半。でも感覚としてはあっという間。

休憩をはさんで第2部はPOPOの山本信記さんのトランペットを加えて植野さんのアコギとさやさんの鍵盤ハーモニカによるインスト曲で始まります。これ何の曲だったかなあ。映画のサントラ曲かなんかのカヴァーのような気がするのだけど。
植野さんのアコギをバックに、再登場したアオツキ書房さんが朗読した「注文の多い料理店」序文がよかったです。さやさんが少し遅れ気味についていくのが不思議なグルーヴを生み出します。アオツキ書房さんが一礼して退場しそのままさやさんの「君の声が下から降ってきた」って歌に入るのも良かったし、ひととおり歌が終わったエンディングに至って、梅田さんの仕業でしょうか、不意に「注文の多い料理店」序文の最後の「…よくわからないのです」ってところがフラッシュバックのように突然「降ってきた」のが奇跡的でした。
しかしいくらひさしぶりとはいえほとんど初めて聞く曲ばかりだったのには驚きます。
しかもどの曲もすっと違和感なく入ってくる親密さがあります。
中には以前のライヴで聞いたことがあるんじゃないかと言うようななじみのあるメロディもあるのだけど、ぜんぜん違うアレンジで飛び出してくるからおもしろい。植野さんのフラメンコみたいなギターイントロに続いてさやさんが歌いだした「顔が二つあって悩む」って歌なんか絶対聞いたこと上がると思うのだけど、もしかしたら初めて聞いた曲だったのかもしれない、でも最後はみんな一緒に口ずさんでいます。
植野さんが「あーもー全部やめたいなー」と歌いだし、さやさんが歌い継ぐ最後の曲は前日も最後に歌われたらしい、最近のライヴの定番なのでしょうか。「一緒に帰ろう…帰ろう」リフレインになるとみんな(初めて聞いた私も含めて!)声を合わせます。
植野「ピアノソロお願いします」
さや「…」
植野「ピアノソロお願いします」
さや「…」
植野「ピアノソロ弾かんかいっ!おいっ!」
さや「…感動してるの」
植野「感動的なピアノソロ弾けよっ」
さや「…ありえない…」(感動的なピアノソロ)
植野さんがやけくそ気味に「あーすべてはみんな何の価値もないいんだよー」と歌うとさやさんが「価値はあるんだよー」と返して、植野さんがさらに声を張り上げるという展開に大爆笑しながら、幸せな空気に包まれて本編は終わります。

アンコールはさやさんがピアノで奏でるほんとに美しい「The Ending Theme」に、ワン・ジクスーさんが迫力のあることばをあわせます。ワンさんは正月のベアーズのindian no echo sign bine noのゲストでも強烈な存在感でしたね。植野さんが傍らのパンダちゃんの縫いぐるみをスイッチを入れると、これが数秒間音声を自動録音しては自動再生するようになっているようで、ワンさんのキメ台詞をいちいちノイズ交じりに復唱するのがおもしろいです。
さらに植野さんとさやさんふたりで「夢で逢いましょう」。こみ上げたかのようにさやさんの歌が途切れると、一瞬間をおいて植野さんが引き取りカバーします。

アンコールが終わったら10時半、休憩を含めて開演から3時間を超える長丁場だったのですが、あっという間の楽しいひと時でした。
いまでもさやさんや植野さんの歌声や演奏のみならず、いろんなことを思い出します。
梅田さんの風音、観客のハミングや咳払い、開けた窓から入り込む冷たい空気、窓の外で落下するオレンジなどなど。
[過去のテニスコーツのライヴ]
雯(ぶん)2013(2013/5/5、梅田クラブ・クアトロ)
(テニスコーツ)
TAPE & TENNISCOATS Japan tour 2011(2011/11/20、塩屋旧グッゲンハイム邸)(Tape & テニスコーツ)
テニスコーツ、カスミトリオ、contact Gonzo(2011/3/20、心斎橋クラブクアトロ)
(テニスコーツ)
「ザ・ライブ」(2011/3/16、中崎町common cafe)(テニスコーツ)
出張円盤(2010/10/17、コーポ北加賀屋)(今井次郎+テニスコーツ)
テニスコーツ guest 山本精一、梅田哲也 ほか(2010/8/12、心斎橋クラブ・クアトロ)(テニスコーツwith山本精一・梅田哲也)
テニスコーツ×TEASI(2010/6/20、難波BEARS)(テニスコーツ)
テニスコーツ×ゑでぃまぁこん(2009/12/20、難波BEARS)(テニスコーツ)
京都造形芸術大学瓜生山祭09「瓜生山ライブ」(2009/11/3、京都造形芸術大学B11・K41教室)(テニスコーツ)
「ゆきのようにしおふらせて」(2008/12/14、難波BEARS)(ゑでぃまぁこんwith TONJAY & テニスコーツ)
AH-WOOT RAPPその16(208/6/15、梅田Shangri-La)(テニスコーツ)
NEW PICNIC @ 太陽公園 (2007/10/7、姫路太陽公園)(テニスコーツ)
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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

【2015/03/02 11:05】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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