山本精一presents <イマユラ・サイケデリア>(9/30、難波BEARS)
ベアーズに山本精一のソロライヴを見に行きました。今回はアコースティック/エレキのギターソロをたっぷりという趣向らしい。例によって20時開演という遅い時間設定なので、時間ぎりぎりを見計らってベアーズに向かいました。最近のベアーズの山本さんのライヴにはいつも出店している「移動喫茶キンメ」のジャスミンティを啜りながら開演を待ちます。
ステージ上には4台のアンプの前に普通のアコースティックギターとフルアコっていうのかな、コードの付いたやつ、そして黒いストラトタイプのエレキという3本のギターが並んでいます。
ジャスミンティ

開演時間を約20分ほど廻った定刻に山本さんがステージに登場、まずは虫の声のSEの流れる中、アコースティックギターを爪弾いていく。SEが水の音に代わって音の表情もすこしずつ移り変わっていく。存在しない映像のサウンドトラックのようだ。もしかしたらギターの音色自体が映像なのかもしれない、輪郭のはっきりしないぼんやりとした風景が形作られていくようだ。続いて山本さんがギターをフルアコに持ち替えて、あー「Limelight」のフレーズが変奏されていくーとか思っているうちに不覚にも意識が遠のき、夢の中へ落ちてしまっていた。このセットだいたい30~40分くらいで終了し、10分休憩。

後半、古いアコースティックブルースのSEを包み込むように、山本さんのエレキギターの茫漠とした轟音が鳴り響いた瞬間に持っていかれてしまった。こういう奏法はなんと呼ぶのだろう、激しく手元は動いているのだけど、深い深いイフェクトのかけられた音の海の底でピッキングの瞬間すら判然とせずに、しばらくすると輪郭がぼんやりしたまま表面にかすかに浮かび上がってきたり来なかったりする豊かな音の風景。このいわば「音響的な」パートと、ディレイを使ってループさせたフレーズに新たなフレーズを重ねていくより「音楽的な」パートがエンドレスで切り替わっていく。
山本さんのロックギターが大好きな自分にとっては、中盤から終盤にかけてのロックっぽいギターをフィーチャーしたパートがうれしいところだった。無調のひとつづきの単音の連なりのループにまるで「Red」の頃のキングクリムゾンのようなへヴィメタリックなギターソロがかぶさってめちゃくちゃカッコいい。さらにカッティングのリフのループにハードロッキンなギターがかぶさる展開になだれ込み、これがクライマックスに至ってノイジーに炸裂する。フィードバックの嵐が延々と続く中ここでもまたしても細かく動く指先からの輪郭が定かでない微細な音の粒が、ぼんやりと浮かび上がったり浮かびあがらなかったりする。
最後は軽音楽風のSEが流れだして轟音が止み、山本さんが金属音のような音で曲に軽くあわせたと思ったらカット・オフ。居眠りする暇もない45分間のナチュラルサウンドトリップだった。

アンコールで再登場した山本さんは演奏の出来に満足されていたのか、珍しくよくしゃべってられた印象。
たしかに、純度が下がることを恐れずに、音響的なアプローチからロック的なアプローチまで節操なく自由に行き来できる面白さは山本さんならではだろう。
今回の演奏で連想したのは2010年のフジのクリス・カニンガムの映像とノイジーなサウンドによるステージだった。今回の山本さんのステージは、あのweirdな悪夢のようなトリップ感覚に近いものを映像抜きのギター1本で味あわせてくれた。
スポンサーサイト

テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

【2014/10/01 21:31】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<「こうでもしなけりゃ見れんだろ」(10/11、難波BEARS) | ホーム | 服部緑地RAINBOW HILL 2014(9/28、服部緑地野外音楽堂)>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://outofmind.blog47.fc2.com/tb.php/1588-70b582cd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |