「あべのぼるLAST LIVE何も考えない」発売記念ライブ(8・18、難波BEARS)
仕事にけりをつけて特急に駆け込んで、そろそろ始まったところかなといつものような感覚で7時半過ぎにベアーズに到着したら、なんと定刻スタートしていてトップバッターの三輪二郎が終わるところだった。あとでAZUMIのMCによると風太さんが7時ちょうどに出てって開始の挨拶したとのこと。「山本精一さんがベアーズ始まって以来って言ってはりました」。
あべのぼるさんのこのベアーズで行われた生前最後のライヴのCDの発売記念ということで、この日参加したメンバーを中心に、春一番をあべさんとともに作ってきた福岡風太さんやNIMAといった春一ゆかりの人々が参加するとあって、場内はいつもBEARSであまり見ない年齢層の高いお客さんでいっぱい。あ、いつも緑地野音でみかけるおっきいおじさんもいる。

今回CD化されることになったあべのぼるとAZUMIのライヴをベアーズで企画した豊田道倫が、バットマンのキャップに黒い難波屋のTシャツ姿で二番手に登場。まずはラップトップのビートをバックに声をひずませてあべのぼるさんの「何も考えない」のカヴァーをがなる。2曲目からはテレキャスをかかえて、時にひずませ、時にアンプラグドにしてかき鳴らしながら歌ういつものスタイル。とはいえ僕がライヴで観るのは凄く久しぶりだ。音源はわりと追っているつもりだったのに、初めて聞く曲ばかりだった。露悪的だったり、紋切り型だったりする部分も平気で歌ってしまうその歌の世界はあいかわらず健在、それが不安定な音程のあの鼻にかかった声で歌われると俄然センチメンタルな艶を放ちだす。ひたすら聞きほれていた。特に終盤に歌われた新作からの「あいつのキス」はギター演奏も含めて勢いがあってよかった。ノイジーなエンディングからしずかにあべのぼる「天王寺」のカヴァーで終了。

真っ赤なアロハを来たAZUMIがぼろぼろのアコースティックギターを抱えて登場。間近に浴びるその歌とギターの見事さにあらためて撃たれる。海苔の缶に材木つけただけのような自作の1弦ギターをボトルネックでたくみに操って歌われたあべのぼるメドレーが凄まじかった。ブルーズでパンクで、フリーミュージックでもある。でも何より、迫力のある歌だった。さらに、あべのぼるの他の歌や西岡恭蔵の「サーカスの終わり」もはさんで歌われたラストの「夜が短い」が素晴らしすぎた。語りで挟み込まれたあべさんのことばがひとつひとつ胸に迫った。たとえばこんなの。「オレが女やったらお前のションベン飲んだるのに」。

なんと山本精一のギターとNIMAのダンスのコラボレーション! 静かにディレイを駆使して静かに爪弾かれて重ねられる山本さんのギターが断続的に高鳴っていき、NIMAさんの体のうごきががギターの音色と重なったり外れたりしながら大きくなっていく。揺れ動く照明のなかで轟音のフィードバックが高鳴り、NIMAさんの体が伸び上がり、静止する。

最後は「あべのぼるLAST LIVE」の布陣よろしく山本精一のドラムスに豊田道倫、三輪二郎、AZUMIがギターを弾くスペシャルバンド。福岡風太もなぜかヴァイオリンを手に登場し、まず先頭を切って相棒あべのぼるの歌を調子っぱずれに歌い、あべとは生前付き合いがなかった三輪に、そしてデュオを組んでいたAZUMIに引き継いでいく。
アンコールの拍手に応えて登場した風太さんから、あべさんへの深い思いのこもった一言と一節。大きな拍手。
いい夜でした。

春一番
BEARSに春一番のちょうちんが飾られ、福岡風太が山本精一をバックにステージに立つなんて日がくるとは想像しなかった。これも縁なんだな。
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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

【2012/08/19 16:41】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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