スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
太陽大感謝☆プレ☆祭り~発発発~(3/2、福島 pinebrooklyn)(承前)
さて、酒を追加して気持ちよくなったところで映画(といってもDVDのプロジェクター上映だけど)「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映です。

上映に先立って監督の鎌仲ひとみさんによるレクチャーがあったのだけど、これはごく控えめに言って、「主張を分かりやすい言葉で伝えることに主眼をおいたトーク」で、正直なところ、短い時間で裏づけを出さずにそんなことをぽんと言い放ってしまっていいのっていうような乱暴な物言いが多々あって感心しなかった。「福島の汚染された食物が日本中に流通している」とかさ。

映画はまず、山口県の上関原子力発電所建設に反対する祝島の人々の生活を追う。ただ、祝島の反原発運動の歴史をひとつひとつおさらいすることに作り手の興味はなく、農業や漁業といった自然の恵みを主軸においた彼らの生活をたんねんに追っていくところがポイント。このあたりはなかなか画面に力があるし、出てくる人たちにも魅力があっておもしろい。ところが映画自体は中盤から舞台がスウェーデンに移り、原子力依存に変わる社会のあり方としてかの国で実践されている「持続可能な」エネルギーシステムの紹介にうつっていく。描かれる循環型社会のモデルは興味深いけれど、正直なところちょっとこのあたりの飛躍は無理があるし、かなり興がそがれてしまう。「映画としての出来が」なんて評価を作り手が求めてるとは思えないし、オルタナティヴな方策をアピールしたいという意図は判るけれど、祝島の人々の自然の恵みに根ざしたポジティヴな取り組みをいくら強調しても、それとスウェーデンの自立した持続可能社会との間には大きな開きがある。このような構成では、祝島の人々の困難が、絵に書いたように理想的なものとして描かれるスウェーデンの持続可能社会をアピールするためのダシになってしまう。おもしろいのも重要なのもこっちなのに。(ついでながら「持続可能な(sustainable)」という用語はエコの業界では普通に使われている言葉なのかもしれないけれど、一般的にはまだまだ親しみが薄いし、なにせ語呂が良くないので、も少し補足が欲しかった)
この映画のクライマックスは、終盤で上関原発着工にあたってのブイを運び込む作業を祝島の人々がピケを張って阻止しようとする場面だ。これまで祝島の人々の日常や(映画的には)その延長としての「持続可能な」社会をユートピックに描いていたこの映画が初めて「外部」と対峙することになる。海上で中電職員と祝島の人たちがやり取りをするこのシーンは非常にスリリングだ。生活の実感の中から発せられる祝島の漁師や農民の言葉の強さに、あからさまに空疎で弱い言葉しか発することのできない中電職員は返す言葉を失う。身体性の伴った言葉の強さを思い知らされるとともに、ここまで祝島の人々に寄り添ってきた観客は少なからぬカタルシスを感じように作られている(同様のやりとりが祝島の人々が陳情に出かける経産省でも役人との間で描かれる)。
でも僕はこのシーンで、やられっぱなしの中電職員の姿にも、どうしても感情移入してしまってるんだな。
組織の論理の中で精一杯の力ない言葉を発し続けている中電職員の姿は、僕自身の姿でもある。自然相手に自分の身一つで対峙する第一次産業の労働とは異なり、自分自身の労働力を企業に売ることで生計を立てている大半の僕らの姿だ。いみじくも映画の中で漁師のおっちゃんが、「あの人たちはかわいそうじゃ、自分の言いたいこともいえないから」というようなことを言っていたけれど、うらやましいとは思っても、誰もがそんな風にはして生計を立てられるわけではない。これはこの映画で提示される「持続可能な」社会に対する違和感にも通じる。つまり、来るべき「持続可能な」社会は確かに素晴しいと思うけれど、寄って立つべき「自然」のリソースをすでに持たない、都市生活者としての自分はいったいどうすればいいの、という部分。そこはこの映画の描くところではないのだけれど、いろいろと考える余地はありそうだ。
原発は(監督の人がトークでごく単純化して強調していたように)ごく一部の電力会社と官僚が札束を切って無理やり作ってるとは僕はあまり思わない。それじゃ一部の軍部と財界が日本を戦争に引きずり込んだというのと同じだ。

最後まで付き合ったといったけれど、実は、長い映画が円環を描いてオープニングシーンの海岸に戻ってきたところで、頭痛が最高潮に達したので失礼したのでした。すいません。このあとエンディングで、ミツバチのはばたきが地球の回転に影響を与えますみたいなニューエイジなメッセージがあったのかもしれません。僕は2階が満員だったので3階のカフェのソファでストーブにあたりながらゆっくり見られたのでまだましだったんですけど、2階のホールで床に薄い敷物1枚で観たみなさんは2時間10分ほんとにお疲れ様でした。

あー、あと、豚の食欲はすごかった、豚を5・6匹放し飼いにすると、鼻先を土に突っ込んで植物の根っことか全部食べてしまうので、荒地が1週間で畑として使用可能な状態になってしまうという。あれはインパクトありました。
スポンサーサイト

テーマ:LIVE、イベント - ジャンル:音楽

【2012/03/07 23:14】 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<Walking In The Rhythm | ホーム | 太陽大感謝☆プレ☆祭り~発発発~(3/2、福島 pinebrooklyn)>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://outofmind.blog47.fc2.com/tb.php/1236-48f9643d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。