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ヒミズ
先月TOHOシネマズなんばで観た園子温監督「ヒミズ」について。
最近のコミックについてはほとんど門外漢なので、古屋実の作品はこの「ヒミズ」どころか「稲中」すら読んだことがない。だから原作と比べてどうだということはないです。
いきなり大震災の津波被災地の映像から映画は始まり、その後も原発事故のニュース映像が流れたり、全編を通じて311以降の閉塞感が通低音として流れ続ける。被災地や震災を見世物にすることの是非とかいうことではなく、これだけの強度を持った現実の映像を(あえて言えば)「見世物」として成立させる困難に果敢に挑戦し、それなりの成果を上げている点を評価すべきだと思う。さすが、「自殺クラブ」とか「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」「恋の罪」と、現実の事件を積極的に取り込んで作品化してきたエクスプロイテーション作家園子温の面目躍如というところか。
瑕疵のない作品ではない。主人公がなぜ「オマケ人生」をあのように遂げなければならないと考えるようになったかが、実はなんだかよくわからない。ただ、世間の欺瞞を戯画的な誇張で描き出させたら園子温はピカ一だ。たとえば素晴しく立派な授業をしているのに、それがすべておためごかしとしか感じられない二人の主人公たちの学校の教師の描かれ方、とか。だから主人公や、主人公の分身である通り魔の心情に(恐ろしいことに)感情移入できてしまう。クソ幸せそうに安っぽい愛を歌うストリートミュージシャンと通り魔のシーンで心の中で「刺せ!刺せ!」と思わなかった者はいるだろうか?
あいかわらず過剰な描写の連続で、主人公の少年少女も容赦なく暴力的な荒廃した世界に晒され続ける。文字通り体を張って泥だらけびしょぬれになりながらも傲然と胸を張って世界に対峙する彼らの不屈のまなざしがいい。特に精神的に崩壊をきたす主人公を救い出す二階堂ふみの力強さ。人の救いは、かれの個人的な領域に土足で踏み込んでいくような、しかしそれを引き受けようというかのじょの個人的な覚悟から産み出された言葉にしかない。ラストのまったく救いのない、いつまでも行き着きそうにない未来に向けて二人が走るシーンは、だから特別に心を揺り動かされる。地震以降もっとも繰り返されたであろう言葉が、二人の間で切実な救いの呪文のように繰り返される。そしてそこに重ねて映し出される言葉を失うような被災地の光景。エクスプロイテーション(搾取)の借りは返された。

ヒミズ
(2011年日本/120分/カラー/アメリカンビスタ/ドルビーSR)
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テーマ:日本映画 - ジャンル:映画

【2012/02/17 01:57】 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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