ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド
大阪ステーションシティシネマのスクリーン8でマーティン・スコセッシ監督の音楽ドキュメンタリー映画「ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」を観てきました。3時間30分にわたる大長編ドキュメンタリー、2週間の限定劇場公開で2500円の特別興行です。平日の朝一だしそんなにお客さんいないだろうと思ったら、けっこうはいってました。それも大半が僕より年が上とお見受けする方ばかり。さすがビートルズです。

スコセッシ監督は別に気をてらうことはなく、第二次大戦直後のリヴァプールにジョージが生まれて、ポールに誘われてビートルズに加入し、あっという間に世界的大スターとなり、ソロ活動を経て癌で亡くなるまでの58年の生涯を、ほぼ時系列順にたんねんに追っていく。シンプルなようで、写真やニュース映像、ホームムービー、テレビ番組、映画、関係者へのインタビューといった膨大な素材を纏め上げる労力は相当のものだったと思われる。
前半はビートルズ初期のエピソードを駆け抜けるスピード感のある演出が気持ちよい。コアなビートルズファンの方なら知っているようなことばかりなのかもしれないけれど、ハンブルグ時代のビートルズのミューズ的存在であったアストリッド・キルヒヒャーのインタビューと写真で語られるデビュー前の若きビートルたちの青春物語がとても生々しくていい。
ビートルズ解散後を描く後半は、ポールやリンゴをはじめ、エリック・クラプトン、クラウス・フォアマン、ジム・ケルトナーといったミュージシャン仲間や友人たちの証言でジョージの人間的魅力を深く掘り下げていくような展開になっていく。ミュージシャンに限らずモンティ・パイソンのテリー・ギリアムやエリック・アイドルといった映画人や、F1レーサーのジャッキー・スチュワートまで、交友関係の広さにも驚かされる。それにしてもフィル・スペクターは怪しい、怪しすぎるw。バングラ・デシュのコンサートでなかなか現れないボブ・ディランをフィル自身が車で家まで迎えに行ったって話はマジか?
終盤はトム・ペティが語るトラベリン・ウィルベリーズの挿話や、ディランも登場するセッション映像なんてのもあるものの、二番目の奥さんであり、この映画の出資者であるオリヴィア(ニューエイジなおばさん)のインタビューが占める割合が増えてきていささか鼻白む部分もなくもない。時にロクでもない男どもの証言と違って、ジョンの代理人としてジョージとの友情に満ちたエピソードを語る小野洋子なんかもそうだけど、どうも女ってのは美しくまとめようとしすぎる気があって、信用できないんだよな。スコセッシはたぶんその辺の塩梅がよくわかってると思う。最後は最期を看取ったオリヴィアの言葉で締めくくって花を持たせながら、実はその前の、死の直前にポールと共にジョージを見舞ったリンゴの証言が実にいい。「おい、なんか感動秘話っぽくなっちまったぜ」と混ぜっ返しながら、うっすらと目に涙が浮かぶリンゴの姿にもらい泣き。
3時間半、ちっとも飽きずに楽しませてもらいました。

僕自身はジョージのソロの音楽はそんなに熱心に聴いていないな、と思いながらこの映画を観ていて、そういえば、「オール・シングス・マスト・パス」のリマスター盤の曲を一時期繰り返しよく聞いてたことがあったことを思い出した。「暗闇に気をつけろ」「すべての物は過ぎ去っていく」といった歌が救いになった時期があったっけ。

原題:George Harrison: Living In The Material World
(2011アメリカ/208分)

調べていて気づいたけど、10年前の今日2001年11月29日がジョージの命日だったんだ!
スポンサーサイト

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2011/11/29 22:00】 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
<<魔女/木枯らしに抱かれて | ホーム | 白昼夢の国/せんきょ>>
コメント
>ケネスティラージュニアさん
どうもコメントありがとうございます。
ジョージの歌声は独特の柔かさがあっていいですよね。後半もう少し演奏シーンがあればな、と思いました。クラプトンと来た日本ツアーの演奏とか…。
【2011/12/05 00:32】 URL | takut #-[ 編集] | page top↑
おじゃまいたします。

わたくしも先日京都の映画館で見てまいりました。
やはり彼のステージにて歌う姿は、
うっとりしてしまいます。
じんわりと心に汗をかかせてもらいましたv-221。。。
【2011/12/03 12:40】 URL | ケネスティラージュニア #-[ 編集] | page top↑
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://outofmind.blog47.fc2.com/tb.php/1134-305154b4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |