スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
由美香
テアトル梅田のレイトショーで、平野勝之監督「由美香」を再見した。
平野監督が林由美香の死を題材に撮った「監督失格」が東宝系で公開されるのにあわせて、平野の「自転車三部作」を連続上映するという企画のようだ。連続上映の最終日は第1作の「由美香」、ほんとうは未見の他の2作も見たかったのだけど、なんせ前日に気づいたからなあ。
ギリギリに劇場に到着すると、館内はほぼ満員の盛況ぶりだった。

前回見たのは15年位前、レンタルビデオを借りて1回見たっきりだったので細部に、忘れているところもいっぱいあった。何より90分くらいの作品だと思っていたのが、実は2時間以上ある大作だったというのが意外だったな。

もともとが「わくわく不倫旅行」というV&Rプランニングの企画物のAVなので、平野監督と林由美香のリアルなセックスシーンはそこここに入るけれど、それ自体はそんなに激しいものではない。中心はやはりあくまで二人が自転車で日本最北端まで旅をするという部分だ。ハードな行程に精神的に不安定になり、時に監督と険悪な空気になりながらも、あきらかに周囲の自転車旅行者たちとは異質な全身日焼け除けルックで自転車を走らせる由美香さんがとってもチャーミングなので、前見たときはあまり印象に残っていなかったのだけど、特に北海道に入ってからの自転車旅行者・徒歩旅行者といった「流れ者」たちの生態は、それだけでも十二分におもしろいと思う。そしてそれがじっくり描かれることで、彼ら「流れ者」に惹かれるロマンティスト平野とそこには距離をおいた「プロ」林由美香という構図ができあがり、ラストの大オチにつながっていく。男ってバカだねえ、それに引き換え女はやっぱり偉いよ、っていう最初にいだいた感想は今回も基本的には変わらない。
でもそれは平野自身がそういう風に作っているから狙いどおりなのであって、もちろんこの映画に描かれているのはそれだけではない。たとえば、酒を飲んでの林の荒れっぷりについては作中何度も言及され、実際に映し出される泥酔してゲロにまみれて眠る様子は、その後の彼女の死を経て見るとかなりヘビーなものがある。
常々どんなシーンも撮っていいと言っていたという林が、福島だったか、二人が激しい喧嘩をした時に肝心のその場面をカメラに収めることができなかった平野に言った「監督失格ね」という言葉が新作のタイトルになっているのは、平野自身にその拾い切れなかった部分に対する忸怩たる思いがあってのことだろう。

とはいうものの、始めてみる人には、そんな事情は考えずに本作を見て、まずは猫の目のように変わる林由美香の表情に振り回されて欲しい。北海道の電話ボックスで泣きながら母親に電話するシーンなんて本当に愛おしい。
企画物AVとしては出来すぎな最低のオチのあとにさらに付け加えられた、林の撮った奇跡的なラストショットが、この作品を暖かい幸せな映画として思い出させてくれるだろう。それも男のバカな幻想に過ぎないのかもしれないけれど。

由美香(1997年/135分/HD)
スポンサーサイト

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

【2011/09/19 22:35】 | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<読書の秋その3/オクトーバーフェスト | ホーム | 月の裏側/ハートの裏側>>
コメント
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://outofmind.blog47.fc2.com/tb.php/1062-4953105e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。