宇宙シリーズファイナル~ダークマター(10/29、難波BEARS)
ベアーズのオリジナル企画「宇宙シリーズ」の最終回、宇宙的な音楽を奏でる3組の個性的なユニットに、今回は小堀努による「cosmic light show」を加えたスペシャルなセット。
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菊池誠と児嶋佐織のテルミンデュオ、andmo'。ギターも担当する菊池さんはニセ化学批判やP・K・ディックの翻訳も知られる阪大の物理学の先生でもあるけれど、ぼさぼさの長髪はどう見ても高円寺あたりのロックミュージシャン。
2台のテルミンがSE風に絡み合う中、おもむろに菊池さんが荘重なギターリフを奏で児嶋さんのテルミンもこれに合わせる。そして変拍子っぽいギターのリフに合わせて2台のテルミンの音色が飛び交いハードロッキンなギターがうなりをあげるドラマチックなパートに、さらにマゴットブレインなヘヴィサイケなパートを経て再び最初のリフに戻るという20分にわたるプログレな大曲が1曲目。もう1曲も基本はおなじようにギターリフのループの上にテルミンやギターのソロが飛び交うのだけど、外国語の男女のSEや児嶋さんが操作する発信音も交えよりゆったりと雄大な印象。ミニマルに爆発するライトショーの映像とともにしばしうっとり。
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821のベースにふじゆきのヴォイスをフィーチャーしたSarry、821さんは最近個人的にはナスカカーのギタリストとしてお馴染みで、Sarry本体のライヴを見るのは実に9年ぶり。
まずは821さんが弓弾きの催眠的な持続フレーズ、そして硬いベースパターンをループさせて、ふじさんのヴォイスが日本語とも非言語ともつかない柔らかい歌を載せていくと、さらに821さんのベースが弓弾きや指弾きで激しくダークな影を重ねていく。ミニマルに明滅しながら映像が移り変わり、最後は激しいノイズが吹きすさぶ中で最初と変わらぬ静かなトーンで歌が詠じられている。ベース1本とヴォイスだけでこの構築力、すさまじい。
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山本精一、今日は黒ストラトにイフェクター4つと、割とシンプルなセッティング。
まずはピタッピタッというノイズをループさせて作ったまるで雨音のような音に乗せて、深くリヴァーヴのかかったメランコリックな演奏。いつの間にか雨音は消えて、低音の持続音の上で、山本さんのギターが羽を広げていく。リヴァーヴの幕のかかった向こうで山本さんのギターが鈍い光を放ちきらめいているさまに耳をこらし、じっと見つめている。バックの映像と相まって…というか、もしかしたら映像がなくてもあまり変わらないんじゃないかという。終盤激しくうなりをあげることはあったけれど、ノイジーにバーストする一歩手前できらめき続けるさまを箱の外から眺めているような、万華鏡のようなギターソロ30分。
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【2016/10/30 15:37】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
Moonriders Outro Clubbing Tour(10/13、心斎橋Music Club JANUS)
アーバンギャルドのオーガナイズした「鬱フェス」の中継をネットで見ていて、ムーンライダーズのLIVEを見たいと思った。
期間限定の再結成ツアーをするというのは知っていたけれど、どうせ売り切れだろうとあきらめ半分で調べてみたら、なんとまだチケットが買える。それなら、ということで大阪公演に出かけてきた。


40年にわたる全キャリアからの24曲、70年代から80年代にかけての作品で大好きなアルバムや曲もあるけれど、所詮はつまみ食いで全アルバムちゃんと聞いているわけではないので、知らない曲もいっぱい。でもそんなこと関係なくとても楽しい2時間半だった。

[セットリスト]
1. Kのトランク
2. 無防備都市
3. アルファヴィル
4. 駅は今、朝の中
5. ヴィデオ・ボーイ
6. 水の中のナイフ
7. 青空のマリー
8. 犬にインタビュー
9. モダーン・ラヴァーズ
10. 静岡
11. マニアの受難
12. インスト~第三の男
(メンバー紹介)
13. Rosebud Heights
14. Cool Dynamo,Right on
15. 無職の男のホットドッグ
16. トンピクレンっ子
17. ヤッホーヤッホーナンマイダ
18. だるい人
19. Beatitude
20. スカーレットの誓い
21. Who's gonna die first?
E1. さよならは夜明けの夢に
E2. くれない埠頭
EE. トラペシア

・整理番号は遅かったのだけど、上手の割といい位置に入れた。観客は40代以上が中心。当たり前だけどコアなファンが多いのだろう、みんな反応がいい。

・とにかく歌わせる。観客も良く歌う。1曲目の「Kのトランク」から、サビの「I Can't Live Without Roses、バラがなくちゃ生きていけない」を観客に順番に歌わせる。「男性!」「女性!」ときて、「40代以上!」「40歳以下!」が笑った。がんばれ40歳以下!

・音源聴いているだけじゃあんまり意識したことがなかったのだけど、とにかくメンバーがみんな歌える。6曲目の武川さんの「水の中のナイフ」からは良明さん、博文さんと、慶一さん以外のメンバーが歌うナンバーが続く。特に博文さんは歌い方が慶一さんに似ているので、あれ、この曲も博文さんが歌うんだ!?ってのが何回もあった。

・「青空のマリー」大好きで、良明さんが歌いだした瞬間にもう涙腺が緩んでいる。良明さんかっこいいな、続く「犬にインタビュー」ではルーパー駆使してほとんどソロでの演奏だった。そして続いて今度は博文さんの歌う「モダーン・ラヴァーズ」、博文さんの太いべースの這いまわる上に武川さんのトランペットがクールに鳴り響くダビーなアレンジがめちゃかっこいい。

・武川さんがヴァイオリン弾きながら囁くように歌う「マニアの受難」から、即興っぽい混沌としたインストへ。最後は「第三の男」に収束する。こういうのをさらっとできてしまうのがすごいなあ。そしてここで長めのMC、メンバー紹介があって、ロックっぽい曲の連発で後半にな芙だれこんでいく。良明さんの歌う「トンピクレンっ子」でシンガロング。

・ブルーズロックな「ヤッホーヤッホーナンマイダ」が、慶一と良明のトゥマッチなブルーズギターバトルで始まって笑わせてくれる。後半は良明さんの仕切りで「ヤッホーヤッホー」「まっぴらまっぴら」「ナンマイダ―ナンマイダ―」のコールで盛り上がる。この後も「たらったらったらった」「エーエーエーエーオー」とシンガロングどころいっぱい。そして満を持して「スカーレットの誓い」でふたたび「バラがなくちゃ生きていけない」の大合唱。

・これで終わりかと思いきや、良明さんのグラマラスなハードロックギターのリフで始まる「Who's gonna die first?」でエンディング。そしてアンコール、登場した慶一さん、おもむろに「How does it feel!? How does it feel? Like a rolling stone」どういう煽りやろ、と思うと「…ボブ・ディランがノーベル文学賞を取りました!」びっくりした。

・この日個人的に一番グッと来たのは、岡田徹さんがこの日唯一リードヴォーカルを取ったアンコールの「さよならは夜明けの夢に」。ビートルズの「She's Leaving Home」を換骨奪胎したセンチメンタルな名曲が、風邪気味だという岡田さんのガラガラのだみ声でトム・ウェイツみたいになってた。そして最後は夕暮れの情景を表すような浮遊感のある楽器の絡み合いから博文さんが歌う「くれない埠頭」。サビのところで引き継いだ慶一さんはへろへろでかなり厳しい感じ。

・客電がついても熱心なアンコールの拍手が鳴りやまず、メンバー再登場。ナシメントの曲に今は亡きかしぶち哲郎さんが歌詞をつけた「トラベシア」を良明さんのリードで。観客がみんな口ずさんでいる。

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最後は撮影タイム。

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【2016/10/14 13:29】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ASTRO & kito-mizukumi rouberツアー2016(10/9、難波BEARS)
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orhythmo
ベース1本によるアンビエントなノイズ。地の底からせり上がってくる地響きのようなゴゴゴゴゴゴ…という低音とともに細かいざーっというノイズの粒が放たれる。後半は土俗的なビートがパーカッシヴに刻まれ、その上に催眠的なノイズの粒子が絡み合う展開に。心地良い。

ASTRO
ASTRO
前回見た時は横並びだったと思うんだけど、今回はおふたり向かい合わせでのセッティング。
ガシャンガシャンという工場機械のような物音で始まり、その後も水の音や人の声など現実の物音や環境音が電気増幅され、ごろりと投げ出される。そして激しくうずまく電子ノイズが次第に高鳴り、まじりあい、大音量で放射される。重層的な物音のパースペクティヴに包囲され、揺さぶられまくる。強力だ。

kito-mizukuni rouber(長谷川裕倫(あぶらだこ)/大國正人(あぶらだこ)/内田静男/橋本孝之(.es))
kito1

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まずはメンバーが4人とも強烈すぎる。髪をオールバックになでつけやくざみたいなスーツでキメた大國さんは、ギターをかき鳴らし奇天烈な歌を歌うし、ドラムの内田さんは過剰にエモい、感に堪えないといった表情でバチを振り回し、バンバン叩きまくっている。サックスでフリーキーな音をまき散らす橋本さんときたら、チェックのひざ丈のスカートに黒いハイソックスという出で立ち(もしかしてあれはバグパイプの人のキルトなのか?)で、帽子の上からすっぽり薄手の布をかぶっている。卑猥に腰をグラインドさせながら淡々とギターのリフを弾き続け、ときおりヴォーカルを取る白装束の長谷川さん(あのあぶらだこのヴォーカルの!)が普通に見えるのだからどうかしている。
一見みんな出鱈目やってるみたいなのに、ルーズな演奏の中から絶妙なアンサンブルを決めて疾走するジャンクなロケンロール、滅茶苦茶カッコいい。演奏の雰囲気はプッシ―・ガロアを連想させる。ただし大國さんの粘っこい歌がかなり独自で印象的、「オレの指輪は5万3千円」とか「難聴難聴プレスリー」とかキラーフレーズ出しまくり。最後は「YMCA」よろしく「K-I-T-O」のコールのはいる豪快なシャッフルナンバーで幕。

MASONNA
いつものように入念に長い時間をかけたセッティング、そして客電が消えしばしの間。おもむろにステージ上に黒づくめのマゾさんが登場しシャウト一発!すぐ耳をつんざく激しいノイズの嵐、狭いステージ上をノイズをまき散らしながら走り回り、そしてフロアに飛び込み最後方でシャウト、ステージに戻ってきたところで終わりかと思ったけれど、ここで転がっていたハンドマイクをフサオさん(Acid Eater)がパスして、再度低い唸りから激しいシャウトに、そして高まるノイズと共に再びフロアに走りこむ、ステージに飛び込むとそのままマイクを投げ捨て退場。決まった!アドレナリン出まくりドキドキしっぱなしで結構長い時間やっていたと持ったのだけれど、ここまでたった2分。

一口でノイズと言ってもいろんなスタイルがあって、たまにこういうノイズアクトのたくさん出るイベントに来ると、その表現の奥深さに唸らされる。
ASTROは一度見て凄いと思って、その時もBEARSでマゾンナと長谷川ヒロトモさんが出てたな、と思いだした。
その時は内田さんとのデュオ「長谷川静男」でkitoとは全然違うスタイルだった。内田さんベースだったし。
ここ数年はkito-mizukumi rouberでASTRO、MASSONAとこの時期にBEARS来ているとのこと。来年もあるならまた見たいなあ。

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【2016/10/10 12:14】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ひめとまほうpresents「昼会」(10/9、ロフトプラスワンWEST)
ひめとまほう


姫乃たま
僕とジョルジュのテーマ~恋のすゝめ、ねえ王子、たまちゃん!ハーイ、.
DJまほうつかい
(ピアノソロ)映画「レイニー&アイロニーの少女コレクション」の音楽より(including)クレマティス

映画「レイニーとアイロニーの少女コレクション序説」(飯田エリカ監督・西島大介脚本)上映

ひめとまほう
トーク(タワーレコード池袋店のインストアイベントの動画を見ながら)
「ひらめきマンが学校のテーマ」公開録音

ゲキダンスイガドウS.A.
「贋作ひめとまほう」

ひめとまほう
クレマチス。ラストサマー、ひめとまほう、真夏のスケープゴート(w.DJまほうつかい(p))、みつばちのささやき(w.ゲキダンスイガドウ)
タオルを振るDJまほうつかい
真夏のスケープゴートでタオルを振るDJまほうつかい

「辞めないでー」の悲鳴の中発表されたひめとまほうの重大発表は3rdシングル発売。最後はスイガドウSAの皆さんも交えてこの新曲「ミツバチのささやき」披露。ひめとまほう初のラップ曲、もちろんまだリリック入ってない姫乃さん含めて全員が終始「ハニカムハニカム」唱え続ける3分間




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【2016/10/10 11:44】 | 音楽 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ギューンカセットpresents tepPohseen「Some Speedy Kisses」発売記念ライブ(10/1、難波BEARS)
大阪の誇る老舗インディペンデントレーベル「ギューンカセット」主催の、福岡のtepPohseenというバンドのリリースイベントでベアーズに出かけてきた。
tepPohseenは初見だけど、共演でひさしぶりに元埋火の見汐麻衣さんが見られる、さらに山本精一さんも歌ものセットで登場とのことで、以前秋にやっていた名イベント「ギューン秋祭り」を思わせる豪華な顔ぶれ。
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一番手はギター×2・ベース・ドラムスの4人組インストバンド、マクマナマン(from福岡)。
テンポを落とした中間部を挟んで3連の組み合わせで疾走していく1曲目も、目まぐるしく拍子が変わりながら最後はそれぞれの楽器がそれぞれのビートををお刻みながら高まっていく2曲目も、10分以上の大曲の長さを感じさせずにぶっとばしていく爽快感。

ひさしぶりのベアーズという見汐麻衣(from東京)。
エピフォンのフルアコで奏でられる深くリヴァーヴのかかったギターソロからおもむろにNOKKO「人魚」そして切れ目なくya-to-i「空の名前」という泣かせるカヴァー曲が歌われ、さらに自身の現在のバンドMannersの曲(未リリース曲?)まで一息にメドレーで、つかみはバッチリ。続いては見汐さんが一番好きな外国のおじさんとおばさんの曲ということで、ビートルズ(ポール・マッカートニー)の「Black Bird」とヴァシュティ・バニヤンの「Diamond Day」。「Black Bird」はあの印象的なフィンガーピッキングが完コピ。「Diamond Day」は以前いちど埋火でカヴァーしたのをこのベアーズで聞いて、カヴァー曲やるなんて珍しいな、と思った覚えがある。
最後2曲は元埋火の須原敬三をベースに加わえて埋火の曲を2曲。まずは「と、おもった」、見汐さんのボーカルが華やいだ艶を振りまく、ファーストアルバムの1曲目に収められた初期からの埋火の代表曲。そして見汐さんがボディを叩いて奏でる深いエコーのかかった和音の中から須原さんのベースがのっそり動き出すイントロが印象的な「溺れる魚」。こちらはラストアルバムの1曲目。
見汐さんの歌とギターを久しぶりにに堪能したけれど、バンドでの活動が見たいと思った。Mannersの活動をちゃんとチェックしておかなくては。

いつもの黒ストラトを抱えて登場の山本精一
大量のイフェクターをつないでサウンドチェックをしていたと思ったら、拍手するタイミングもなくいきなりストロングスタイルの轟音ギターノイズをぶちかます。今日は歌ものじゃなかったの?と思っていたらいつの間にかギターは粗いコードストロークになり「あんなに好きだったこと」が歌いだされる。以下随所にノイジーなギターをぶちかましながら「EVER GLAY」「めざめのバラッド」「サナギ」を基本ガシガシとコードストロークで弾き語り。最後はヘヴィなギターリフで始まる「Days」、後半ギターソロからそのまま真っ白な爆音のギターノイズに突っ込んでいくエンディング。

本日の主役tepPohseen(from福岡)。
teppohseen

なんと表したらいいんだろう。かっちりと強力な演奏でありながらジャンクなラフさ兼ね備えている。ちょっと情感のある歌心もあり、でもあっけらかんとしてる。主としては、ドラムとベースとギターの3人の強力な演奏に、もう1人がギターとヴォ―カルで情感を付け加える感じ。全体としてヴォーカルの比重は少ないけれどその分ギターが切なく響く瞬間が多い。突き放したようなクールな感触は岡山のテストパターンにも似ている。
3曲目でドラムの志賀さん(ex.埋火)が力いっぱいビートを刻みながら歌いだして、オッと思う。ビートに絡むベースのリフがもろニューオーダーなジャンクなファンクに2本のギターがノイジーに被さりメチャメチャカッコよい。踊り狂った。

tepPohseenのアルバムに見汐麻衣のCDRシリーズ近作2枚、さらに山本精一の新しいCDRと買い込んですっからかんになってしまいました。

tepPohseen 「Some Speedy Kisses」
アルバム、いいです。
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【2016/10/02 02:00】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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