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「童謡わざうた」レコ発番外編-ふるまい酒LIVE-(3/13、難波BEARS)
昨年12月にシャングリラで山本精一の「童謡(わざうた)」レコ発ライヴがあったのだけど、この時は仕事で間に合わず、駆け付けた時はアンコールのラストの「ソングライン」で非常に悔しい思いをしたのだった。だからレコ発番外編と銘打ってベアーズでやる、それも須原さんとデュオとなればこれは行かないわけに行きません。

場内には山本さんから振る舞い酒がいっぱい用意されています。
「風の森」という純米酒がフルーティで美味しい。調子に乗ってぱかぱかいただいているとすっかり酔いが回ってしまって…。
振る舞い酒

まずは、猿股茸美津子。小柄な女性(vo.g)、長身の女性(g)、長髪の男性(b)のドラムレスのサイケトリオ、以前観た記憶ではもっとおどろおどろしい印象があったのだけど、あれって思うほどそんな感じではなく、ギターの音色は軽くリヴァーブがかかったクリアなきれいな音を出していて、寄り添うベースラインともに心地よいサウンドに仕上がっている。声を張り上げず丁寧に歌を聞かせてくれて、なんなら爽やかですらある。ところが聞いてると歌の端々に不穏なものが覗いていて、じわじわと甘美な毒がまわって麻痺していくような感覚が…というか実際は開演前にいただいた日本酒が良く回ってきて、すっかり眠りこけてしまっていた…すみません。意識が戻ったときにはもう最後の曲で、いつの間にか激しいうねりを帯びて猛り狂う音の渦に取り囲まれていて茫然とする。

そしてこの日の主役山本精一&The Bears(スハラK-ZOO)、ようするにおなじみの山本・須原デュオ。
まずは山本さんが黒ストラト抱えて登場し、以前Psychedelic Jet setsでカヴァーしたこともある北原ミレイの「ざんげの値打ちもない」の弾き語りから。そしてお馴染み「春を待つ少女」「私に人生といえるものがあるなら」と高石友也を2曲続けて、さらに堺正章「さらば恋人」と渋いところを、渋く歌っては轟音ギターソロを添える、と言う調子で披露する。山本さんの「さらば恋人」は初めて聞いたな。そしてまるで昔のフォークソングを続けてカヴァーするかの調子で、スリーフィンガーで「まっすぐにみちをはずすわたしには」をサラっと。
ここで須原敬三(b)登場。山本さんのゆるりと爪弾きだされた艶やかなギターフレーズに、つかずはなれずベースラインが後を追い出した瞬間に会場の空気が一変する。デッドの「ダークスター」みたいなジャムの中からゆったり歌われる「Mothlight」。この日はどの曲も全般的にテンポを落として演奏されていたように思うのだけど、それで演奏が弛緩せずに適度な緊張感を保ったままどんどん深いところに降りていくような感覚にとらわれるのがこのデュオのすごいところ。この2人にtaiquiさんのドラムを加えた先回がアグレッシブな演奏だっただけに、今回は特に対照的に感じたのかもしれないのだけれど、たとえば前回はパンキッシュに演奏された「EVER GRAY」などは別の曲のように内省的な印象を覚えた。
「めざめのバラッド」や「12色のバラッド」を思わせるブルージーな新曲が披露されたり、羅針盤「ますら」や「ゴミ箱の中」のような聞かせる曲をしっとり聞かせてくれるパートもあったり、聞きどころたっぷりの1時間半のステージは終盤「童謡(わざうた)」の曲で締めくくられる。
アルバムよりいっそう朦朧として幽霊度が増した「ゆうれい」に続いて最後に演奏されたタイトル曲「童謡(わざうた)」がまた凄まじかった。この日は基本着座だったのだけど、須原さんのグル―ヴィなベースラインにこらえきれず立ち上がって身体を揺らしながら、激しくぶち込まれるギターソロを全身で浴びていた。

アンコールの求めに応じて登場した山本さんがMCも入れずにガシャガシャとギターかき鳴らしながら歌ったのは野坂昭如「マリリン・モンロー・ノーリターン」、歌いっぷりがバンカラで痺れる! 爆裂するギターも、ゴリゴリと硬くぶつかる須原さんのベースもカッコよすぎて昇天した。
べー
ベアーズ=スハラさんという理解でおk?
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テーマ:LIVE、イベント - ジャンル:音楽

【2016/03/14 00:22】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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