BOB DYLAN and his Band IN SHOW & CONCERT!(4/23、Zepp Namba)
ヒット曲は一通り知っているけれど、実は「ブロンド・オン・ブロンド」や「血の轍」などの何枚かの例外をのぞくと、アルバム単位ではほとんど聞いていなかった。2月の誕生日に奥さんにディランの「The Complete Album Collections」を買ってもらったので、それからデビュー作から少しずつ年代順に聞いていてようやく「武道館」までたどりついたところ。近作の曲中心のセットだと聞いていたので、直前に慌てて「Tempest」を聞いたらえらいしわがれた声になっていて驚いた。

ボブの歌声はまさにこのアルバムで聞かれるとおりのだみ声だった。ボブ・ディランといえばアコースティックギターにハーモニカフォルダーというイメージが強いけど、今回はドラムス、ベース、ギター、アコースティックギター、スティールギター・フィドル・キーボードetcという5人組のバンドを引き連れ、ステージのセンターでギターも持たずに手ぶらで堂々と歌う。ときおりちょっと危なっかしい感じのピアノを弾きながら歌ったりもする。

昔のヒット曲は数曲しかやらなかったのだけど、いずれも例によって激しいアレンジが加えられていて一聴しただけでは気づかない。序盤早々で「シー・ビロングス・トゥ・ミー」が歌われたはずなのに、まったく気が付かなかったのが痛恨。第一部では「ブルーにこんがらがって」も歌われたのだけど、ハーモニカ取り出してぷひーってやるだけでひときわ大きな歓声があがるのがおもしろい。
ボブの今のダミ声がジャストにハマるのはやっぱり最新作に収録されている曲だ。第一部の個人的なハイライトは、ボブの愉快なピアノプレイもばっちりな「Duquesne Whistle」の軽快なジャムのあとで、ステージセンターに戻って歌われた「Pay In Blood」の歌唱。「アイ・ペイ・イン・ブラー(がるる)ッド」ってところ、裾に刺繍の入った黒のスーツに棒タイ、白いハットというメキシコやくざのようなダンディな出で立ちもあいまって、シビれました。

50分程度の第一部のあと、20分休憩をはさんで第二部。Zeppなんばは今回初めてで、広さを感じさせないステージのよく見えるいいハコだとは思うんだけど、さすがにオールスタンディングのライブ2時間立ちっぱなしはちょっとしんどい。トシ相応に2階席の指定を取るべきだったかもしれない。第一部はともかく、比較的メローな曲が多い第二部はかなりキツかった。いい湯加減なピアノでボブが「ド・レ・ミ・ファ・ソ」なんてやる「Spirit On The Water」あたりでもうダメだと思ったのだけど、またセンターに戻って張りのある声で歌われたラストの「Long And Wasted Years」が心底素晴らしく、背筋が伸びた。

アンコールは「見張り塔からずっと」。ロックっぽいハードなアレンジはカッコいいけれど、ピアノぽろんぽろん弾きながら歌うボブの歌唱は基本的にぶつぶつつぶやく感じで、ここは一発シャウト決めてほしかったところ。そして「風に吹かれて」でおしまい、日本での最終日だったからもう1回くらい出てこないかなという淡い期待はかなわず。

伝説のミュージシャンを観たという感じは薄かったけれど、いい湯加減なところも含めて、現役感ばりばりの存在感のあるパフォーマンスは凄くおもしろかった。
ポール・マッカートニーからはじまって、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディランと続けてロック・レジェンドを続けて見てきたのだけど、間違いなくこの3組の中ではボブが一番無責任に自分の好きなことをやってる感があっておもしろかったな。
まったくバカボンのパパみたいな食えないおっさんだ。
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【2014/04/24 14:09】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
山本精一とゑでぃまぁこん(4/13、難波BEARS)
ひさしぶりの山本さんのうたものライブ、今回はいつものヘッドの欠けたストラトではない、綺麗な高そうなギターで、いつになく轟音が鳴り響くこともほとんどなく、丁寧にひとつひとつ音を配置するような、じっくり歌を聞かせる演奏だった。
終盤「めざめのバラッド」や「Mothlight」あたりでほとんど初めて激しくノイジーな音のうねりが襲い掛かり、最後は「ゴミ箱の中」でやはり美しく締めくくられる。

ベアーズのゑでぃまぁこんは久しぶりじゃないか。お正月のグ邸ワンマンにはノイズ新年会がかぶっていて行けなかったので、今年初めてのゑでぃまぁこんのライブになるのだけど、これが新曲いっぱいでびっくり。進化のスピードが速くて面食らう。「スロウな夢」「ブーメラン」あたりの曲がまだ正式リリースされていないのに。新しく聞いた曲の中では「どこにどうしているかわからない~」という歌い出しの歌が切なくて良かった。

最後は山本さんとゑでぃまぁこんの合体セット。プレイグラウンドとゑでぃさんが1曲一緒にやったり、ムジカでの共演の際に数曲一緒にやったりということはあったけれど、がっぷり共演というのはおそらく初めてだろう。
いきなり大瀧詠一「それはぼくじゃないよ」で始まるという夢のような選曲。ただ、この曲や「時計を止めて」のようなカバーもいいのだけど、それよりゑでぃさんの曲(曲名が分からない)のバックで山本さんがさりげなくギターを奏でたり、モツさんのペダルスティールのするの音に導かれてゑでぃさんと山本さんが歌を分け合う「虚空の屋根」といったそれぞれのオリジナル曲の演奏がスリリングでむちゃくちゃ興奮した。「空の名前」!「とらとらいおん」!なんという選曲。さらにアンコールに応え、ラブジョイの「野の人の野のうた」。

山本精一
1.鼻
2.(まっすぐに道を外す私にまっすぐなものがいつもわからない)
3.(わずらわしいくらい僕らには時間があり)
4.ふたつ木のうた
5.そして船はいくだろう
6.めざめのバラッド
7.MOTHLIGHT(初期歌詞ver.)
8.(もう少しのためにここにいるかもしれない)
9.ゴミ箱の中

ゑでぃまぁこん
1.快哉割烹
2.かげろう
3.(どこにいるどうしてるのか何もわからない)
4.スロウな夢
5.(知らず知らずに迷い込む頭をぶつけても)
6.(雪は溜息のように積り靴底は朝の記憶消して影を踏む)
7.べりスコープ
8.(…までのことを落ちていく骨にもたれ)
9.(文字追うスプリンクラーの中で心は我を忘れて蝶になる)
10.さらう風

山本精一とゑでぃまぁこん
1.それは僕じゃないよ
2.(ゑでぃまぁこんの曲)
3.虚空の屋根
4.時計を止めて
5.空の名前
6.とらとらいおん
E. 野の人の野のうた
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【2014/04/14 23:44】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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