大森靖子 絶対少女が夢見るBBa'14ツアーin神戸(3/2、塩屋旧グッゲンハイム邸)
アルバム「絶対少女」が素晴らしかったので、大森靖子が関西に来たら絶対観たいと思っていた。そうしたらレコ発ツアーの神戸公演がなんとお馴染み塩屋の洋館グッゲンハイム邸であるっていうので、速攻予約して出かけてきましたよ。
開場の6時前に行くともう結構な会場待ちの列ができていて、立ち見も入れて100人くらい入っていたのかな。後ろの方まで見えるのかちょっと心配だったけど、ちゃんとステージが誂えてあってアコースティックギターが2本とエレキギターがセッティングされている。ピアノの前にオルガンの用意も。「絶対少女」のプロデュースを担当したカーネーションの直枝政太郎がゲストで登場するということで、どういうセット構成になるのか楽しみなところ。
大森靖子@旧グ邸セッティング


ワンダカレーでカレー食べて行ったのだけど、味取の天然酵母パンが来ていたのでビールのつまみにベーコンパンをもぐもぐ食べながらオシ気味の開演を待っていた。
予定の開演時間10分くらい過ぎたところで黒いミニのワンピース姿の大森さん登場、まずは「ハンドメイドホーム」で始まるアコースティックギター弾き語りのセット。ギターかき鳴らしてメドレーで次々と歌うスタイルは前回十三シアターセブンでの「大森靖子映画祭」のときの「ミニライブ」と同じなのだけど、今回は曲が一向に途切れる気配もないままどこまでも続く。「ミッドナイト清純異性交遊」「音楽を捨てよ」「夏果て」といった曲を、時に囁き時にがなり立てて歌い継いでいく。観客はテンションの高さに拍手すら挟めずに、息をひそめて見守るしかない。後半になると浜崎あゆみやglobeといった90sスタンダードのカバー(というかかなり戯画化した歌真似)や、ちょっと尋常じゃない感じの謎のひとり家庭劇が小刻みに挟み込まれ、ますます混沌とした様相を呈し、あまりの過剰さになんだか頭がクラクラしてくる。「さようなら」「君と映画」といった代表曲から中島みゆきのカバーまで、結局第一部は1時間ノンストップで歌い通しだった。第一部ラストの曲は初めて聞くきれいな曲で、ネットで調べたらガール椿という広島のバンドの曲とのこと。

休憩をはさんで、直枝政広さんとともに大森さん再登場、今度はまずは大森さんのピアノ弾き語りに直枝さんがアコギで色を付ける。「キラキラ」に始まり、「歌謡曲」からアルバム「絶対少女」のアルバムでもひときわ暗い深淵を覗かせていた「青い部屋」まで30分、このパートが個人的にはこの日のハイライトだったと思う。
続けてゲスト直枝さんのコーナー。カーネーションはあまり聞いていない自分でも、ソギー・チェリオスのアルバムは去年のベストの1枚だ。大森さんがグ邸オルガンの伴奏とコーラスを付けるSoggy Cheriosの「僕はイノシシ」とかもう!
第二部最後のパートは大森さんアコギと直枝さんエレキのデュオで大森さんの代表曲を次々に演奏する。
ラストはカーネーションのカヴァーでもお馴染み島倉千代子の「愛のさざなみ」。そしてさらにアンコールを1曲、先日の「映画祭」でも歌っていた「デートはやめよう」って曲。

初めての大森靖子ライブ体験がこの間の「大森靖子映画祭」で、この時は4~5曲だだっと演奏しては5分くらいしゃべり倒すという、大森さん曰く「さだまさしスタイル」だったもので、てっきりこれがこの人のライブのパターンなんだと思っていた。そうしたらこの日の第1部はいつまでたっても「楽しいおしゃべり」にならないので、ちょっと茫然とした。
歌真似はおかしかったなあ、個人的にツボだったのはSPEEDの今井絵理子と島袋寛子のかけあいを歌いわけるあたり。中島みゆきとか、かなり意外な選曲だったのだけど、普通に染みる。
大森さんと言えば、ギターかき鳴らして歌う姿しか知らなかったので、ピアノ弾き語りのセットは個人的に意外だった。でも僕が未聴だっただけで、この日のピアノセットの最初に演奏した「キラキラ」なんかデビューEPの1曲目でもともとピアノ弾き語りだったのだから、ファンの人にしたらいまさら何言ってんだって感じだろう。
大森さんのピアノはちゃんとクラシカルなピアノを習ってきたんだな、という感じの意外にかっちりとした演奏で、ギターの奔放なプレイとは対照的な印象。でもその分歌が狂気じみた暴れ方をすると逆に凄味が出る。この間の映画祭で上映されていた映画「ターポリン」のラストでギターかき鳴らして歌われ映画をさらってしまう「歌謡曲」も、今回はアルバムと同じピアノバージョンで、これには本当に圧倒された。大森さんのテンションの高い演奏に、直枝さんも抑えめに最小限の装飾を付けることに徹していた(何を演奏するかあらかじめ聞かされていなかったようで、「いじめだよー」などとぼやいてはったw)。
直枝さんのコーナー後のデュオセットはほんとに楽しかった。「大きい音出しちゃおうよ」と直枝さんをそそのかし、「わたしの音も大きくして」とPAにリクエストを出し、「わーい大きい音だー」と歓声を上げて嬉々として島倉千代子を歌う大森さんがとってもチャーミング。ギターやピアノの弾き語りのステージの息の詰まるような緊張感ももちろんすごいと思うけれど、このセットにはソロでは見られない風通しの良さがあっ太と思う。バンドをバックにのびのびと暴れる大森さんの姿も、ぜひ観てみたいなあ。今回のツアー、他会場では直枝政広・奥野真哉・久下恵生というバンド編成の会場もあるようで、特に豊田道倫のmtvBANDでも独特の自由な存在感を発揮していた久下さんのドラミングが、大森さんの歌にどんなふうに絡むのか、すごく興味がある。

特に印象に残った1曲はアコギ弾き語りセットの中盤に歌われた「音楽を捨てよ、そして音楽へ」かな。アコギ弾き語りならではの猛烈な勢いでぶつけられる言葉の力が痛い。
「音楽は魔法ではない」
「音楽は魔法ではない」
「音楽は魔法ではない」
「でも音楽は!」
でも、間違いなくこの日の大森さんのライブには、別世界を垣間見せるようなマジカルな瞬間が存在したよ。

終演後物販で買いそびれていたEP「PINK」とファースト「魔法が使えないなら死にたい」購入して、グ邸のお庭で大森さんにサインしていただきました。わーい。
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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

【2014/03/03 01:42】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
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