THE SECRET SUMMER FESTIVAL"かくれギューン夏祭り2012"(9/15、難波BEARS)
家を出たときにはまるでそんな気配もなかったのに、難波に着いたら大変な豪雨。
カレー食ってちょっと小止みになったところで、ヤマダ電機から走ってベアーズの階段に駆け込みやれやれと思ったら、階段の最後の3段でつるっと滑った。死ぬかと思った。
開演前にさっそく前回買いそびれたTシャツを購入。
夏祭りTシャツ

他力本願寺
ばらばらと音が立ち上がり重たいビートに絡み合って走り出す「カラス」に始まる30分のセット、じっくりとアルバムの曲を聞かせてくれたレコ発のときと一味違って全体にコンパクトなスピード感のある演奏だった。特に「スラッシュメタルぽくやります(笑)」というMCに続く「ひみつ」の怒涛の演奏は鳥肌モノ。
以前ベアーズでJOJO広重・山本精一とともに早川義夫カバー大会をした時にも須原さんは「人生の責任をとって欲しい人」として山本さんと早川さんの名前を挙げていたけれど、前日のムジカジャポニカでの早川さんのライヴの話から同じ話になって、今回もうひとりの「責任とって欲しい人」の曲ということで演奏されたのが渚にての「お前を捨てる」! 渚にてのファーストのヴァージョンとは違って重く激しい演奏に生々しい須原さんのボーカルが狂おしく絡む。
最後はアルバムに収められていない長尺のヘヴィな曲、深いサイケの海の底を漂ったのち激しく炸裂して幕を閉じる。
1.カラス
2.太陽
3.お前を捨てる
4.ひみつ
5.(新曲?)

柴山シンジと毛のふさふさした動物の不思議な歌
「お前を捨てる」を歌ったあと須原さんが「(柴山さんに)やってくれって言ってもぜんぜんやってくれないので、ないしょで」とか言っていた(ぜんぜん内緒ちゃうしw)のだけど、2曲目で何のコメントもなく「お前を捨てる」の返歌ともいうべき「あなたを捨てる」をさらっと歌う柴山さんがとってもステキだw。
柴山さんはいつものようにアロハ姿にサンバーストのストラト、今回は渚にてのベースの山田さんとのデュオでの演奏で、1曲目「もう一度泳ごうゆっくりと」と歌いだされる6年ぶりという新曲に柴山さんの新しい活動への意気込みが感じられる。「うたのあとで」で柴山さんをおっかける竹田さんのコーラスを頭の中で補完して、そろそろかなあと思っていたら、そのあとのMCでついに12/23にベアーズで渚にて復活ライヴの告知が!
最後に演奏されたもうひとつの新曲は、「空が落ちてくる」と空におびえ穴を掘って太陽を探すモグラに自分をなぞらえた歌で、もしかして今回のユニット名の種明かしかな。
1.(新曲)
2.あなたを捨てる
3.七つの海
4.うたのあとで
5.(新曲)

los doroncos
怪しいおっさんという風体のdroncoさんの歌とギターが、達者なバックの演奏にルーズに投げ出される。
いままで自分が体験したアーティストでは、「怪しいおっさん」という見た目や元裸のラリーズという経歴だけではなく、音楽のスタイル面でもヒロシNaとすごく似通った感触がした。ただしヒロシさんほどの異形ではなく、ギターも歌ももっと「素直」な印象で、激しいロックンロールより終盤に演奏された子供のころの夕暮れの帰り道の情景を歌ったリリカルな曲のような歌の印象が強い。「僕のこと音痴だなんていわないでおくれ」って歌とか、アンコールだったかな、「ポケットにピストル入れて君のこと着けまわした」って曲とか。後者は「ストーカー」なんて言葉は使わなくてもいいのにって思った。
あと、印象に残ったのは、doroncoさんのチューニング。チューナーもハーモニクスも使わないでちょっちょっちょっとペグをいじってチューニングするのがめっちゃかっこええ!

On The Love Beach
渚にての「七つの海」は、柴山さんがずっと好きだったジャックスの「遠い海に旅に出た私の恋人」へのメッセージを込めて作ったのだそうだ。柴山さんにとってこの曲の収められたジャックスのファーストアルバムは、後の早川さんの作品にはない特別な輝きを放っているというようなことをおっしゃっていた。それはすごくよくわかる。たとえば「お前を捨てる」「あなたを捨てる」が収められた渚にてのファーストアルバムも、同じような意味で、二度と生まれ得ないスペシャルなアルバムなんじゃないかなと思う。
あ、僕は2枚目以降も渚にてのアルバムは傑作ぞろいだと思っていますが。
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【2012/09/16 16:41】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
THE SECRET SUMMER FESTIVAL"かくれギューン夏祭り2012"(9/9、難波BEARS)
ギューンのマークが付いていたから須原さんの企画なのかなとは思ったけれど、ベアーズのスケジュール表にはバンド名しか出ていなかったし、そんなイベントタイトルだったとは知らなかったw ギューンの夏祭り、どおりでこの濃いメンツなわけだ。かくれなくてもいいのにw
会場にはJ非常階段のOJO広重さんやNASCACARの中屋浩市さんなど出演者以外のベアーズおなじみのミュージシャンの方々のお顔もちらほら。

ヰタ・セクスアリス
イタセクがおもしろいのは、歌で物語を語ろうとしているところで、今なかなかそういうロックのバンドはない。というのは、この間ラジオで町山智浩が「最近の歌謡曲は薄っぺらなわたし語りばかりで、ドラマチックな物語性が失われている」というようなことを言っていたのを聞いて、そういえば、と思ったことなんだけど。ちなみに町山さんがこのとき紹介していたのは面影ラッキーホールです。
イタセクの音楽をさして「演劇的な」などと評されることが時々あって、それは物語性の強い作りこまれた世界をそう呼んでいるだけで、どこも演劇的なんかじゃない、音楽的なだけだ、なんて思っていたんだけど、今回披露された新曲「天井桟敷のように」はまんま寺山修司の天井桟敷への憧れを歌いこんだ歌で、中間部のボーカルの原田さんが「演劇的な」身振りで次々とセリフを語るパートが痛快。寺山の精液と小便のにおいのするねじまがったヤバさのようなものは皆無ながら、「ワンダーランド/アンダーグラウンド/アングラ」と韻を踏みながら寺山的な世界をサイケなワンダーランドとして仕立て上げるイタセクの健全なアングラ嗜好が全開の楽しい曲だった。
復活後のイタセクは、といっても復活前のステージを見たのが10年位前だから怪しいものだけど、以前にも増して、若々しくなっているような気がする。終盤に演奏された「モダン・デカメロン」の性急なぐしゃぐしゃのガレージっぷりったら、笑ってしまうほどかっこよかったよ。
1、ワレワシジン
2. 夢見通りのマリー
3. 遅れてきた男
4. ダンデライオン
5. 天井桟敷のように
6. モダン・デカメロン
7. 性的生活

村岡ゆか
歌の「物語性」ということではこの人、ベースの弾き語りで不思議な世界をうたう村岡さん。
曲ごとに断片的に提示される情報では全体像はつかめないのだけど、今回のライヴで演奏された新しいアルバムの曲は、どうやら、海辺の小屋に暮らす顔を失ったの女性の物語らしい。寓話のようでありながらそれでいて細部に妙にリアルで生々しい身体性を備えた歌の世界が、ループを駆使してていねいに作り出した静謐な音の上で繰り広げられる。終盤に演奏された曲で、目のところだけ穴をあけた紙袋をかぶった「わたし」が「あの人」を求めて山道を上る歌が、素晴らしかった。紙袋を隔てて主人公に触れる月の光や風やあの人の気配によって変わる主人公の心象風景が曲調とともに静かにスイッチして流れていくので、主人公の心情が切なくてたまらなく、そしてどうなってしまうのか息を呑んで見つめることになる。
これが物語のクライマックスかと思ったら、あとで購入したCDを見るとこの後まだ展開があるんだ!
1. 海
2. 動かない女
3. 小屋‐春‐
4. 小屋‐夏‐
5. 探しに来たんだ
6. 出口
(CDの歌詞カード見ながら再現しました)

シベールの日曜日
マンデルブロー曲線のようなサイケ映像の投射される中登場した「シベールの日曜日」は、ストラトで轟音をかき鳴らしながら歌うg・voとds、bのスリーピースのサイケバンド。
ラリーズみたい、なんていう形容をできるほど裸のラリーズのことは知らないのでやめておくべきだとは思うのだけど、ひずみまくったギターの轟音の上にかぶさる深いエコーに包まれたボーカルはまさしく何枚か聞いたラリーズの音像に近い感触で、これが実際に大音量で体感できるというだけでたいへんな快感だ。
ただ、実際に奏でられているメロディやリズムは僕がぼんやりラリーズのCDで聞くものよりずっとクリアで、またバラエティに富んでいる。最初の曲なんかは一瞬サンタナかと思うような演歌的な泣きのメロディがフィーチャーされていてリズムも民謡のようなビートだし、ジミヘンみたいなファンキーなビートの曲も多くて、そんなときは歌もラリーズと言うよりフリクションのような印象になる。なんとか風というような言葉で片付けられないオリジナルな正調の日本のサイケロックバンドだと思った。
ただバンド名の元になったフランス映画のイメージとはちょっと違うけれど。

1時間の轟音のステージが終わり、アンコールを求める拍手が続くも、客電が点いて終演を告げるBGMが流れる。あれこの曲知ってるな…あ、澪の声やw イントロのベースのフレーズがかっこいい放課後ティータイム「五月雨20ラブ」。さすが須原さんの選曲。
このあとさらに、この日誕生日だったOJOさんにバースデーケーキが用意され、場内で「ハッピーバースデイトゥユー」の合唱が起こったりと、まことにベアーズらしい日でした。
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【2012/09/10 03:07】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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