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JOJO広重・山本精一・スハラケイゾウの早川義夫大会(9/11、難波BEARS)
50歳の誕生日になにか好きなことをと言われた非常階段のJOJO広重さんの企画なんだそうですが、タイトルそのまま、この3人で早川義夫の歌を歌いまくるという実にベアーズらしい企画です。この3人が早川さんのどんな曲を選曲してどんな風にやるのかが楽しみで出かけました。

まず一番手は須原敬三と地獄の季節。ギターのヰタセクスアリスの伊藤さん(a.k.a.奇島残月)とのコンビが久々でちょっと嬉しいです。以前ヰタセクで早川さんのバックを務めたこともあるくらいなので、この日の3組の中では一番もとのジャックスの演奏に忠実な印象で、特に伊藤さんのギターは水橋さんのフレーズをかなりコピーしています。選曲はバンド名になった「地獄の季節」ではじまり、多分音源にはなっていない「海と女の子」(初めて聞きました)など、かなりマニアックなかんじ。オリジナルのピアノ弾き語りをバンドならではの激しい中間部を加えて演奏されたひたすらへヴィな「埋葬」や、イントロのギターフレーズからオリジナルに忠実に始まりやはり後半激しく盛り上がるリリカルな「遠い海へ旅に出た私の恋人」など。いい選曲でした。「いい娘だね」や「堕天使ロック」といった有名曲は、若いリズムセクションの勢いに乗せ、暴走気味にオリジナルよりテンポを上げて演奏されていて、かっこよかった!

続いて登場、山本精一。ジャックス解散後の69年のソロアルバム「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう 」の1曲目だった「わらべ歌」にはじまり、ジャックスの曲は「時計をとめて」だけで、あとは94年に「この世で一番キレイなもの」で長い沈黙を破って歌手復帰して以降の曲も含めた早川さんのソロの曲ばかりをギター弾き語りで演奏するというステージでした。ちなみに「時計をとめて」は僕も大好きなんで嬉しかったんですが、早川さんじゃなくて水橋さんの歌ですw。「わらべ歌」は照明を落としてロウソクの灯りだけで歌い、「救いがないから死んでやる」と歌が終わった瞬間にロウソクを吹き消す、という趣向(大々的にキーが違っていて玉砕気味でしたが)。PARAの家口さんのピアノを加えての「NHKに捧げる歌」や「サルビアの花」(もはや十八番ですが)も素晴しかったんですが、いつもご自身の歌では歌詞でなにかを明確に語ることを巧妙に避けているように見える山本さんが、たとえば「音楽」のように「歌う」ことについて饒舌なくらいに明確に歌っている歌をわざわざ選んだのがすごく興味深かったです。オリジナルのねちっこい梅津さんのサックスのフレーズもさらっとギターで織り込んだ「桜」の色っぽい世界が、意外に山本さんの声にあっていてホロリときました。

そしてJOJO広重とからっぽの世界。JOJOさんのカウントから1曲目「いい娘だね」、猿股茸美都子の3人プラスいつもJOJOさんのバックで叩いてる尾谷さんのドラムによる分厚いバッキングに、JOJOさんのノイジーなギターと咆哮がのっかります。わりとストレートにロックする選曲で、実はJOJOさんの歌唱は個人的に苦手なんですが、意外とすんなりと聞けました。「シャンソン」はJOJOさんのイメージからするとちょっと意外な感じがするかもしれませんが、僕はこれは「わかる」ような気がします。山本さんに続いての「サルビアの花」はより暗黒度高め。意外なのは最後に演奏されたのが「からっぽの世界」でも「マリアンヌ」でもなく、「この世で一番~」の「君に会いたい」だったことで、このステージの中では一番破壊力の高い演奏で、完全にJOJO広重の歌になっていて圧巻でした。「ゼッタイに、つながっているんダッ」というJOJOさんの雄たけびが耳に残っています。

最後はJOJO広重・山本精一・須原敬三の3人の演奏。この3人での共演は実は初めてとのことで、貴重な並びです。もちろんここで「からっぽの世界」「マリアンヌ」。そして2回のアンコール。

早川さんの歌自体はすごくへヴィな歌が多いのですが、三者三様、それぞれに早川義夫とジャックスへの愛のあふれた熱演で楽しいライブでした。
スハラさんのMC「16歳の時にジャックスを始めて聞いて、価値観ががーっと変わって、こんな風になってしまいました。責任を取って欲しい人の一人です。」
ちなみに責任とって欲しい人がもうひとりいるそうなのですが、さてそれは誰でしょう?
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テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

【2009/09/13 02:44】 | ライヴ | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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