Take A Walk On The Wildside
フォーククルセダースの「オーブル街」は、馬車のSEにかぶさる流麗なオーケストレーションのイントロに続いてエコーのかかった加藤和彦のあの甘い声が流れた瞬間に、古めかしくセピアにかすんだ霧の深い情景が広がってくるという名曲。1曲目からこの曲をどう料理するのだろう、と思ってプレイボタンをおすと、bikkeの絶妙なエレキギターの音色(ジ・ジーというシールドノイズがまたいい塩梅!)と石橋英子のピアノの即興風の絡みの静かに張り詰めた空気に一気に引き込まれ、ジム・オルークのベースと石橋さんのピアノに山本久土のギターが最小限の装飾をつけるミニマルなバッキングに、Phewが意外にも高音で少し震えるような細めの歌声で歌うと、オリジナルで歌われた愛の喪失がより純粋に抽出されたような切実さで浮かび上がってくる。もうこの短い1曲目だけで何度も繰り返して聞いてしまった。

加藤和彦の曲が他に2曲選ばれている。ジャックスの「花が咲いて」のようなディープなサイケデリアに仕上がっている「不思議な日」もよいけれど、なんといってもMOSTちっくなパンクスタイルでキッパリと歌われる「青年は荒野をめざす」がカッコいい。パーソネルは久土(g)・精一(g)・達久(ds)の山本トリオにオルーク(b)、五木寛之の詞がいささか青臭さを感じさせる(まあそこが魅力なんだけど)オリジナルに比べ、ヤケッパチな感じがいい。数々の修羅場を潜り抜けてきた大先輩にこんな歌歌われたら、お前なにショボくれてんだ、と、どやされてるような気になる。
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【2010/09/07 02:10】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
あそびば
ここ数年の山本さんのライヴでおなじみの曲が千住さんのドラムとのデュオで演奏されている。ベースは山本さん自身、インタビューの発言によれば「ベーシストのひかないようなベースにしたかった」とのこと。この辺のかげんは僕には良くわからないけれど、そんなに奇抜なことはしていないような。わりとコンパクトにまとめられた「待ち合わせ」とか「水」はもはや山本さんのポップ・クラシックの風格すらある。ソロのギターの音色がファンにはたまらない。
アコギとドラムスだけの最低限の音数の伴奏ではじまり、後半になってギターソロやぶっといベースラインが重ねられていく表題作が生々しくてすごくおもしろい。へんなエフェクターのかかったギターのイントロがおかしい「宝石の海」なんかもおんなじような音数最小限におさえた実験的なバッキングで聞き飽きない。
1曲目「DAYS」はマイブラ風のポップな轟音ギターのイントロで、他の曲とはちょっと趣が違う。最後の曲はこないだのshinbiでもアンコールのラストに千住さんとのデュオで演奏した静かなバラード「ふたつの木のうた」(オリジナルはドラムも不参加)。羅針盤「らご」「せいか」「ソングライン」、どれも1曲目はガンって来るヤツを、ラストはしんみりバラードをおいてはったのを思い出す。最初からポップをねらった羅針盤とはまるで違うと山本さんはいうけれど、そんなに違わないかもしれない。

山本精一
Pヴァイン・レコード
発売日:2010-07-21

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【2010/07/28 00:37】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
バイブル
久しぶりに豊田道倫「バイブル」を聞いて、買ったときに感想をまとめかけていたのを思い出して仕上げてしまうことにする。

バイブル二つ折りの簡素な紙ジャケット、基本はギターの弾き語りなので、一聴したときは、日常を日記的に片っ端から録音してパッケージして速攻リリースというようなものなのかと思った。実際一発録りと思われる歌と演奏はかなりラフで、声はかすれ音程外れまくり、1曲なんか完全に途中で間違ってしまったりしている。でも聞けば聞くほど、そんな荒さがマイナスになるどころか、生々しい魅力となってくる。全体の構成まで良く考えて作られたアルバムだと思うようになる。

最初の曲、静かに爪弾かれるギターの伴奏に合わせて「道頓堀はやめましょ人が多いから」とつぶやくように歌出だされる「街の底」に特徴的な濃厚な色っぽさがアルバムのトーンを決定付けている。
特に前半、テレビで謝る高相さんだったり、一人暮らしをはじめてふと思い出した昔の女の作ってくれたサラダだったり、深夜にショップ99で買い求める豚バラだったり、あるいは炊飯器で飯の炊ける匂いだったりと、私生活の変化を反映してかいつもにもまして生活感があふれるモチーフを発端にする曲が多いのがこのアルバムのもうひとつの特徴なのだが、でもどの歌も単なる生活の描写に終わらず、そこから身勝手で切実な孤独や愛情や憎しみにまで歌が発展していくのには荒っぽい歌唱あっての凄みがある。
ギターの伴奏も決して技術的に上手くはないかもしれないけれど、ただ激しくかき鳴らすだけではなく、時にメランコリックに静かに爪弾くスタイルを交え、歌の世界を十分に広げてくれる。特に終盤「おまんこちゃん」「(無題)」のあたりは、ねっとりとエロい声に音程のはずれた生々しい節回し、それに独特な詞としぶといギターの演奏があいまって、ちょっとヤバいくらいの濃厚さだ。リアルを通り越してアシッドな空気さえ漂わせている。いわゆる「アシッドフォーク」と言われるタイプの音楽とは対極の音楽なのに、アシッドなフォークとしかいいようがないこのサイケ感。
そして続く「君はドリーマー」がこのアルバムのクライマックスだ。抑え目に「夢を見ていたような」と切なく歌われて、最後に感情が爆発し、その後ギター弾き語りのモノトーンのこのアルバムで一瞬色づく瞬間が訪れる。

なんか中途半端な文章だ。でも今年の私的ベスト入り決定の1枚、広く聞かれて欲しいな。

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【2010/05/29 02:01】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ブルーにこんがらがって
もともと視力が良かったこともあって、最近じゃ遠視の度合いが激しい。要は老眼というやつだ。CDの歌詞カードの字って小さくて、見るのが大儀だったりする。ただでさえiPodで聞くことが多いし、だんだん歌詞カードやライナーに目を通さなくなってる。でも今回は眼鏡を取り出して歌詞カードを追ってみた。
ディランの歌詞ってわけがわからんのが多いと思い込んでいたけれど、実はそんなことはなくて、もちろん詩的に抽象化されたり修飾されていることはあるけれど、特に今回は妻サラとの別離というディラン自身の個人的状況の影響も大きいのか、ストーリーがはっきりしていてわかりやすい詞が多い。キメのフレーズもびしばし決まってる。みうらじゅん経由で目にしていたフレーズがあちこちにw
このアルバム聞いて特に感じたのは、メロディの美しさ。この人って最初にちゃんとした(笑)メロディを一度作ってから崩して歌っていくのだろうか、それとも頭の中に流れているきれいなメロディをディランが追って歌うとこんな風になるのだろうか。たとえば「運命のひとひねり」とかこのきれいなカントリーロックのバッキングトラックそのままで女性ボーカルで歌わせたら普通にきれいな曲になるだろう。でもディランのこのボーカルの説得力がありすぎて、こっちで慣れてくると他のメロディラインはありえなくなってしまうのがマジック。で、さらにライヴになると、別の曲のようなアレンジで別の曲のように歌うんだろうな。ラジカルな人だわ。
A面の前半、バンジョーがキラキラしている「ブルーにこんがらがって」で始まって、メロディの美しい「運命のひとひねり」「君は大きな存在」、そしてディランのボーカルが怒りまくっててかっこいい「おろかな風」へという4曲が完璧だ。で、申し訳ないことにこの辺で僕の集中力が切れてしまう。最後に「嵐からの隠れ場所」「雨のバケツ」と言った評判の高い曲もあるのだけど、何回聞いてもいまだに僕にとってはこのアルバムの印象はこの冒頭の4曲だけで決められている。

The only thing I knew how to do
Was to keep on keepin' on like a birds that flew,
Tangled up in blue.
俺が知ってる唯一の手立ては
小鳥が空を飛ぶみたいに続けることを続けることだけ。
ブルーに絡まりながら
-"Tangled Up In Blue"


ボブ・ディラン
Sony Music Direct
発売日:2004-09-23

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【2010/03/31 00:01】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
生まれ変わるところがどこにでもあれば
なんばPARKSの三田屋総本家で黒毛和牛のビーフカレー800円。特筆すべきことなし。
090722三田屋総本家

山本精一の今は亡きうたものバンド「羅針盤」がワーナーから出していた最初の3枚のアルバムがSHM-CDで再発された。2枚のシングルをまとめたミニアルバムまで出ているから完璧だ。こういうことをやるのはもちろんP-VINEです。羅針盤聞いたことのない方はぜひこの機会に聞いてみてください。

今回の再発はSHM-CDのフォーマットで、というのが売りのひとつだが、それだけで買いなおすつもりはない。ただ、ファーストアルバムの「らご」に関してはワーナー盤の前に出ていたGYUUNE CASETTE盤しか持っていなかったので、この機会に買うことにした。
GYUUNE盤とワーナー盤ではミックスが異なり、一部歌詞が変わっていたりするというのは聞いていたので、聞き比べ。一聴して異なるのは冒頭の「永遠のうた」。最初っからアコースティックギターのカッティングがフィーチャーされてたり、2番の歌のバックにキーボードのフレーズが加えられていたり、かなり手を加えられている印象。歌詞が変わっているのは「ライフワークス」で「めくら」→「てぶら」、「シャブ中」→「町中」といったボーカル差し替え以外にバッキングのギターがさらにダビングされているみたい。
あとはあんまり細かく聞き比べていないけれど、ほとんど違わないと思う。全体的に音がクリアになった気がするのはメジャー発売時のリミックスのせいではなく、今回のSHM-CDというメディアのせいかも。
「永遠のうた」は僕も最初に聞いたときにそのポップさに大きな衝撃を受けたんだけど、山本さん自身にとっても勝負の一曲だったんじゃないかな、とちょっと思う。

ワーナー時代の3枚のうちでは実は3枚目の「ソングライン」が一番好きなんだけれど、このファーストアルバムのみずみずしさはいつ聞いても変わらなく僕をひきつける。ポップを純粋培養したような「永遠のうた」やしみじみ聞かせる「生まれ変わるところが」などのキラキラ輝く感じもいいのだけど、「いのち」の血の滴るようなナチュラルディストーションのギターソロにいつもロックを感じさせられる。はっぴいえんどでいうところの「ゆでめん」みたいな感じ。


ところで今回は想い出波止場の時と違ってマスターテープは見つかったのかな。
ベアーズでの1ウィークの時に、通し券購入者へのおまけで、これ「アドレナリンドライブ」のマスターとかいって配ってはったような気がするのだけどw

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【2009/07/23 01:15】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
心に雨が降っている
ソウルとかファンクに夢中になっていた時期があったのだけど、結局ブルーズはあんまり聞かなかった。
深い理由はない。ジャズをあまり聴かないのと同じで、奥が深そうなので遠慮したという程度のことだと思う。
その頃買ったCDで、いまでもこの時期になると引っ張り出して聞きたくなるのがこの「Rainin' In My Heart」というアルバムだ。
スリム・ハーポがエクセロレーベルから1961年に出したファーストアルバムで、ストーンズもカバーした"I'm A King Bee"も収められたブルーズ・クラシックスなのだけど、(中には2曲目みたいに豪快に歌うナンバーもないではないけれど)全般に鼻にかかったいい湯加減なボーカルとぺなぺななギターにハーモニカの響きが和みまくりで、いわゆるブルーズのイメージと感じとは異なり、ポップな印象も強いのがポイントか。。前出の「キング・ビー」は「おいら王様蜂、お前の周りを一晩中ぶんぶんぶん。ねえハニー、ちょっと中にイレてよねえお願い」というような(多分)ブルーズらしいエロい歌なんだけど、たとえばミック青年のギラギラした歌いっぷりとは違うとぼけた歌い口がサイコーで、これならご婦人も、あらやだいつの間にか入っちゃってみたいな感じで行けるのではないでしょうか。
この時期にこのアルバムを思い出すのは、タイトル曲をイメージしたオシャレなアルバムジャケットのせいが大きい。"Rainin' In My Heart"はそこそこヒットしたみたいで、僕の持ってるP-VINE盤の最後にはボーナストラックとして二番目のドジョウを狙った"Still Rainin' In My Heart"という曲も収められている。ハーモニカのイントロをフィーチャーした3連のロッカバラード風のブルーズで、とぼけた歌のおかげで深刻にななり過ぎず、雨のしとしと降る梅雨の季節に本当によくはまる。
…というような文章をたらたらと書いている間に7月に入り、梅雨というよりは夏というような日も増えてきた。
でも大丈夫、この後に出た「Baby Scratch My Back」は、「ねえちゃん背中掻いたってえな」というタイトル曲やこれまたストーンズがのちに(あいかわらずギトギトで)カバーする「Shake Your Hip」など、鼻唄度120%増量のルイジアナの沼地直送のファンキーな名曲が収められているので、これで蒸し暑くけだるい夏の昼下がりも安心、だ。


なんばCITY南館1階のアジア食堂サムロでキーマカレー定食750円。
写真のとおり、すごくキレイです。味は、なんといいますか、市販のあの缶に入ってるカレー粉の味。それ以上でも以下でもないです。
090708サムロ

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【2009/07/09 23:51】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
よごれた顔でこんにちわ
なんばなんなんのクンテープ・ガァウタイでグリーンカレーランチ、ドリンク付きで880円。
090529クンテープ・ガァウタイ

タワーレコードのWポイントセールでRCサクセションの「EPLP」購入。サードアルバム「シングル・マン」が1年で廃盤になり、オリジナルメンバー破廉ケンチが脱退、その後メンバーチェンジを経て「ラプソディ」で電化RCの人気が爆発する前後までの、いわば過渡期のシングルを集めた編集版。「わかってもらえるさ」「君が僕を知ってる」などこのアルバムでしか聞けない名曲が収められている。
紙ジャケ版で、発売時のライナーの復刻に目を凝らして、クレジットを見ていろんなことがわかる。
「シングル・マン」発売直後、キティに移籍して出した「わかってもらえるさ」は実質清志郎と林小さんの2人で演奏していて、きっとスタジオミュージシャンだと思った印象的なエレキギターの音は(クレジットを信じるなら)清志郎のものだったというのが少々意外。この曲がまったくヒットせず、RC史上最大の暗黒時代に突入するのだけど、「この歌のよさが/いつかきっと君にも/わかってもらえるさ」という詞が何度聞いても素晴らしすぎる。
3年後再デビューシングルともいえる「ステップ!」は、すでに当時電化RCのメンバーはほぼそろっていたにもかかわらず、清志郎のボーカル以外は完全にスタジオミュージシャンによる演奏。いや、そうじゃないかとは思っていたけど、他のメンバーがまったく噛んでないとは知らなかった。でもこの曲は好きです。アレンジはムーンライダースの初代ギタリストの椎名和夫。ベースは日本で初めてチョッパーを弾いたベーシストといわれるハックルバック~ティン・パン・アレーの田中章弘で、ファンキーな曲にバッチリハマってます。B面は「ラプソディ」でもおなじみの「上を向いて歩こう」だけど、今剛のギターソロが上手すぎてまったく面白くない。
次の「雨上がりの夜空に」でようやくほぼ本来のRCのメンバーの演奏になるが、これはシンセをフィーチャーしたアレンジ(まだ椎名和夫が噛んでる)がいまいち。「雨上がり」はやっぱり「ラプソディ」のライヴ・ヴァージョンだな。アコースティックなB面の「君が僕を知ってる」の方は素晴しい出来。
次の「ボスしけてるぜ」/「キモチE」と「トランジスタ・ラジオ」/「たとえばこんなラブソング」ではG2も加入してすっかりRCサウンド完成、めでたしめでたし。
RCのCD、みんな10%オフのセールになってました。amazonでも割引になってる。

もう1枚は坂本龍一のcommonsのコンピレーション「にほんのうた 第三集」。こないだ市川準監督の「BU・SU」を見て気になった「花の街」を小川美潮さんがやってるのが聞きたくて。
春の歌を集めているのに、春というにはちょっとばかり暑くなってしまったが。

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【2009/05/30 02:33】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
空がまた暗くなる
・清志郎ロック葬。仕事だからと参列は断念したんだけど、それでも様子が気になって仕事中実況スレをずっと追ってる俺って、駄目じゃん。ケイタイのバッテリーが上がってしまった。

・リアルタイムで買ったRCの主要なアルバムはだいたいアナログだ。最初に買ったのが「ラプソディ」で、続けて「PLEASE」、さかのぼって「シングルマン」、そして「BLUE」「FEEL SO BAD」くらいまで。なぜか「カバーズ」は持ってなくて、そのあとの「コブラの悩み」とラストアルバムの「BABY A GO GO」はCDで。ただ絶対持ってると思っていた「EPLP」がなかった。買おうと思ってタワーレコードで探すが、見つからない。他の作品はたいがい置いてあるのになあ。紙ジャケはいいけど、オリジナルがアナログじゃないアルバムの紙ジャケって何だろう。「BABY A GO GO」なんかオリジナル再現するなら紙ジャケではなく、プラケースに入った特殊ジャケ(写真集つき)を再現すべきだと思うのだが。

・というわけで、ひさしぶりに「Baby a Go Go」を聞いていた。さすがに「シングルマン」はハマリ過ぎそうでちょっといやだったんだ。キーボードロボットのG2に続き、ドラムスの新井田耕造まで脱退してしまい(一部参加)、清志郎・林小・チャボの3人になってしまったRCのラストアルバム。全面的にアコースティックギターの音がフィーチャーされていて一般的にチャボ加入後のRCのイメージであるギンギンのロックサウンドとはちょっと趣が異なっているので、あまり評判にはならないが、これがなかなかの名作。1曲目「I Like You」から「あふれる熱い涙」「冬の寒い夜」、そしてチャボの「うぐいす」など、ポップな佳曲がいっぱい。またボ・ディドリー・ビートにチャボのボトルネック奏法が唸る「Hungry」のようなロックしてる曲もちゃんとある。なんといっても一番好きなのは「大人だろ、勇気を出せよ」と歌われる「空がまた暗くなる」だ。

おとなだろ 勇気を出せよ
おとなだろ 知ってるはずさ
悲しいときも 涙なんか
もう二度とは 流せない
悲しいときも 涙だけじゃ
空がまた暗くなる

おとなだろ…




・まあダメもとと思いながらタワーに行くたびにゑでぃまぁこんのアルバムを探す。ただ、「あ行」か「わ行」かどちらを探せばいいのか、毎回わからない。結局どちらにもないのだけど。

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【2009/05/10 01:55】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
こころの持ちようさ
JAGATARAは暗黒大陸じゃがたらのころからなぜか好きだった。
きっかけはたぶん82年、大学に入学した年の学祭の前夜祭の野外ライヴで見たのははじまりだったと思う。音楽のことは覚えていないけれど、ゲストで出てきた町田町蔵が(酒だか他の何かだかで)べろんべろんだったのは覚えている。渋谷陽一のFM放送「サウンドストリート」でスタジオライヴがオンエアされたのもこの頃だったと思う。このときの放送の編集をめぐって渋谷陽一(ロッキング・オン)対中村とうよう(ミュージックマガジン)の間で場外乱闘が起こったことなど当時はぜんぜん知らなかった。ファーストアルバムの「南蛮渡来」はどこで買ったのだろう、当時自主制作のLPの入手できるレコード店はかなり限られていたはずだが、さっぱり覚えていない。
ただ、それまで触れたことのないアンダーグラウンドな空気感、いかがわしさ、ヤバさいったものに、エアチェックマニアのロックおたく(当時「おたく」という言葉はまだ存在していなかったが)のお坊ちゃんは一も二もなく参ってしまっていたのだ。
その翌年、それまで行ったこともないライヴハウスにいきなり単独のライヴをに見に行ったくらいだから、よほど気に入ったのだと思う。じゃがたらはその大阪公演の直後の京都で、中心人物のヴォーカリスト江戸アケミ(女性のような名前だが立派なおっさんである)が精神に変調を来たし、一時活動を中止することになる。
87年にJAGATARAとして活動を再開した彼らの最初のアルバムがこのアルバムだ。4曲の長い曲が収められた八木康夫氏のポップなイラストのジャケット(色違いで4色のパターンがあった)のこのアルバムを、僕は三条新京極下るの詩の小路ビルにあった優里奈レコードで買った。暗黒大陸時代の混沌から比べるとはかなり音は整理されている。洒落た真っ赤な衣装をそろえてTVに登場した彼らを見て仰天した覚えもある。しかし、ギターのOTOを中心に作られたそのファンクサウンドはひたすらかっこよかったし、何より中心となるアケミの歌はあいかわらずいかがわしく、そしてオシャレに消費されるには圧倒的にダサかった。
のちのアルバムと比べてもポップな印象を受けるこのアルバムのサウンドは、おそらくまだアケミが本調子でなかったことにも理由はあるのだろう。現にCD化される際にボーカルが一部差し替えられたりしている。でも、何よりバンドに一番勢いのあった時期のアルバムだと思う。
4曲の最後に収められた最後の曲がゆるやかなレゲエの曲で、これもちょっとビックリさせられた。けれど、このアルバムを聞いてから「南蛮渡来」を聞きなおして、実は本質的に彼らは変わっていないということに気づかされることになる。ちょっと屈折して見えるけれど、実はまっすぐなポジティヴヴァイブレーション。そんな彼らにこのレゲエの曲はふさわしい。

ちょっとの搾取ならば がまんできる
ちょっとの搾取ならば 誰だってそりゃがまんできるさ
それがちょっとの搾取ならば

心の持ちようさ

しかしこの歌のタイトルは「もうがまんできない」という。
この強烈な皮肉もカッコいい。



本屋で「月刊仲村みう」を立ち読みする。写真も素敵だが、インタビューを読んでその波乱万丈ぶりに唖然とする。カッコいいぜ、ちょっとファンになったぞ。
(amazonのカスタマーレビューじゃあんまり写真の評判よくないのね、ふーん)

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【2009/05/01 02:01】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ジーザス
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバムはどれも好きだけど、もしかしたら一番好きかもしれない。
もちろん左右のチャンネルから異なる難解な詞が繰り出され真ん中でサイケなオルガンをフィーチャーしたフリーキーな演奏が繰り広げらるB面終盤の「マーダー・ミステリー」がアルバム中のハイライトではある。しかし全体を支配するトーンは前作「Wihte Light White Heat」から打って変わった静けさの漂うシンプルなギターロックサウンドで、なにより端的でわかりやすい歌詞がホッとするのだ。
「キャンディがいうには、彼女は自分の体が嫌いになったんだと」「それも愛の一種さ」「そばにいて、君の蒼ざめたまなざしよ」「そう俺にも光が見えてきたんだ」「けどもし君が扉を閉めたら、僕は二度と日を見なくてすむ」などなど。
アルバム真ん中らへん、アナログでA面のラストにあたるのが「ジーザス」という短いお祈りの歌だ。
この週末、年1回のお勤めで教会に行ってきたのだけど、残念ながらこの歌ほど切実に響くお祈りの文句はなかった。

キリストよ、私がふさわしい場所を見つけられるようお助けください。
キリストよ、本当にここに私の居場所があるのでしょうか。
弱さに負けそうな私を助けてください。
さもないと恩寵から零れ落ちてしまいます。
イエス・キリストよ。

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【2009/04/28 01:49】 | 今日の1枚 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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